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中村淳 中村淳 中村淳
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日本映画界を代表する録音技師、中村淳氏。「突入せよ!あさま山荘事件」、「日本沈没」、「あしたのジョー」、「十三人の刺客」、「愛と誠」、「悪の教典」など日本映画史に残る数多くの作品で録音を手がけ、第34回日本アカデミー賞では最優秀録音賞を受賞。大径の車輪が取り付けられたオリジナル可動式ラックに、MacBook Pro、拡張シャーシ、DAWシステム、そしてSolid State LogicのMADIルーター/スプリッターであるXLogic MADI-X8をマウントして撮影現場で稼働させている中村氏は、ルーティングの自由度を高めるためすべてのMADI機器をXLogic MADI-X8に接続し、コンピューター側から自由自在にMADIルーティングを制御。XLogic MADI-X8が無いシステムなど想像できないと語る中村氏に、その導入の経緯と使用感を独占インタビュー。

    
 

日本映画の撮影現場にDAWをいち早く導入

—— 映画の撮影現場にDAWを持ち込んだ最初の録音技師の一人として知られていますが、いつ頃から持ち込むようになったのですか
 Pro Toolsを持ち込むようになってからは、まだ7〜8年くらいですね。その前の5年くらいは、タスカムのDA-78 2台で録っていました。もちろん、その前もDAT 2台とNagraとかを同時にスタートさせてマルチ録音はやっていたんですけど、同じメディアに録っていたわけではないですし、同期していたわけではないですから。まだPro Toolsも無い時代の話なので、むろん後で同期させる術も無く。でも、当時はそれでも問題無かったんですよ。それらで録ったものは別にミックスして使うわけではなく、良い素材を選んで使うというやり方だったので。第一、DATとNagraなんて、Pro Toolsに入れたところで合うわけはありませんから(笑)。

SSL MADI-X8の魅力を語る中村氏

—— DAWを使い始めたのは早かったのですか
 Sound Toolsからですから、かなり早かったと思います。もちろん、それより前からノンリニアの編集には興味があって、現場では「天と地と」(1990年/監督:角川春樹)で瀬川徹夫さんがSynclavierを使っているのを見たのが最初ですかね。あの映画は、とにかくSynclavierが見たくて関わらせてもらったようなもので(笑)。そこでコンピューターを使った音の編集を生で見させてもらって、自分でも早く使ってみたいと思うようになった。でもSynclavierなんか買えるわけはないので(笑)、Sound Toolsを出したときに飛びついたんです。その後、Pro Toolsが出たときにアップグレードして、そこからはずっと使ってます。

—— 撮影現場でDAWが導入されるのはこの数年だと思います
 そうですね。やっぱりコンピューター・ベースのものなので、撮影現場で使うのには不安があったんです。だからDATの次は、タスカムのDA-78を2台同期させて使っていました。DA-78は、24bitで8トラック録れるというのが良かったんですよね。最初に使ったのは確か「宣戦布告」(2002年/監督:石侍露堂)ですかね。当然ですが、DA-78はACがないと動かないので、DC-ACコンバーターを付けて鉛のバッテリーをぶら下げて。同時期の「突入せよ!あさま山荘事件」(2002年/監督:原田眞人)でも使って、あの映画ではワイヤレスを12波くらい使ったのを憶えてますね。

 DA-78と組み合わせていたミキサーは、Alesisのインラインで32ch入力で使えるやつ。本当は16chくらいのプロ用のミキサーを使った方がいいんですけど、そんなお金は無かったので、どうしようかなと思っていたときに、ものすごく安く売っていたのを見つけたんですよ(笑)。でも、ヘッドアンプはAlesis内蔵のものは使わず、ヤマハの8chのものを使っていたので、まったく問題なかったですけどね。

アナログ・マルチケーブルの束からMADIで回線もシンプルに

—— テープからDAWに切り替わった理由とは
 現場で酷使したこともあって、DA-78がテープ・エラーを頻発するようになっちゃったんですよ。新しいレコーダーを買うだけのお金は無かったんですが、それでも仕事はこなさなければならなかったので、初めて事務所のPro Toolsを現場に持ち込んでみたんです。そのときは屋外ではなくセットだったので、現場で電源が取れるということで。

 それでやってみたら、想像以上に便利だったんですよね。それまでPro Toolsは、僕の中では完全に編集機だったんですけど、直接録った方が後々便利で、音も良いぞと。で、すぐにPowerBook G4で使える拡張シャーシをオーダーしてしまいました(笑)。そのとき持ち込んだのはPowerMac G4だったので、これを毎回持ち込むのは大変ということで、ミキサーとしてDM1000を導入して、初めて持ち運び用のPro Toolsシステムを構築したわけです。

—— 現在の録音システムは
 DAWはPro Tools|HD Accelシステムで、コンピューターは17インチのMacBook Proで、Magmaの拡張シャーシでPro Toolsのカードを使用しています。入力用のヘッドアンプは、ローランドのDigital Snake S-1608で、これはREACという伝送フォーマットによってケーブルを何十メートルも延ばすことができるんですよ。

まるで宇宙探査機の様なMADI-X8を中心とした現在のシステム

 Pro Toolsを現場に持ち込むようになって、ちょっと考えなければならなかったのがその操作で..。ファイル・ネームを打ち込むくらいだったらアシスタントにお願いするんですが、やっぱり僕としてはPro Toolsの前から離れたくないわけです。しかし、映画の撮影現場では、カメラの動きに合わせて録音機材も動かさなければならないので、それがPro Toolsだととても大変なんですよ。だからPro Toolsのシステム一式は、現場の裏にセットするようになったんですが、すると今度はマイク・ケーブルを引き延ばさなければならなくなる。それを最初はアナログ・マルチ・ケーブルでやっていたんですけど、撮影現場が雨だったりすると、泥だらけになってもの凄いことになるわけです(笑)。

—— アナログのマルチは取り回しが大変ではないですか
 8ch以上になると太くて機動性が悪くなるので、4chのマルチを複数本使っていました。12ch必要なときは3本使って。それで泥だらけになったケーブルを、帰ってアシスタントたちが洗っているのを見て、僕は関係無いんですけど(笑)、彼らにとってこれはかなり負担だなと。そんなときにInter BEEで偶然見かけたのがDigital Snakeで、これはいい!と思って、すぐに発注してしまいましたね。

 それでずっとアナログでDM1000に接続して使っていたんですけど、しばらくしてからREACとMADIを変換するコンバーターが発売になって、AvidからもMADI製品が発売され、DM1000にもMADI入出力用カードがあって、全部MADIで接続をシンプルできるのではないかと思って、やってみることにしたんです。

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