Warning: include(../../../header.php) [function.include]: failed to open stream: No such file or directory in /home/cs10683/mi7.co.jp/htdocs/blog/archives/mi7/digital_contents3.php on line 1

Warning: include(../../../header.php) [function.include]: failed to open stream: No such file or directory in /home/cs10683/mi7.co.jp/htdocs/blog/archives/mi7/digital_contents3.php on line 1

Warning: include() [function.include]: Failed opening '../../../header.php' for inclusion (include_path='.:/usr/local/lib/php:/usr/local/share/pear') in /home/cs10683/mi7.co.jp/htdocs/blog/archives/mi7/digital_contents3.php on line 1

[ « 第2回:Matrix Sequencer 2台のCV信号を合成する | BLOG Topへ | 第7回 長音階という定規 » ]
村井 清二村井 清二 (むらい せいじ)

これまでにシモンズジャパン代表、カメオインタラクティブ代表、スタインバーグジャパン会長等を歴任、現在はエムアイセブンジャパンおよびシンタックスジャパンの代表取締役を兼務しながら多忙な日々を送る。財団法人日本音楽教育文化振興会評議委員。趣味はレコード収集、スキー、カメラとジャンクフードグルメ。
MI7社長ブログ

マルチトラックレコーディングの歴史 第3回

3回目の今回は、前回のレコーディング業界でのDAWの歴史と併行して発展したもうひとつの市場、作曲・音楽制作業界における「MIDIシーケンサー」についてスポットライトを当てて行きます。



※本文章は、「デジタルコンテンツ白書 2005」(財団法人デジタルコンテンツ協会編)に寄稿した物に加筆修正を加えたものとなります。執筆にあたって多くの諸先輩から貴重なアドバイスや提言をいただきました。感謝の意を込めて以下に記載します。
取材協力:冨田勲氏、東海林修氏、深町純氏、松武秀樹氏、安西史孝氏、松浦雅也氏、阿部美春氏、行方洋一氏、沢口真生氏、Karl Steinberg氏、Manfred Ruerup氏、Roger Linn氏、Tom Oberheim氏、Hans Zimmer氏, Bob Clearmountain氏、Ernst Nathorst氏、デジデザイン/アビッドテクノロジー、スタインバーグジャパン、エムアイセブンジャパンの各氏


ステップシーケンサー時代

1968年、ウォルター・カーロス氏がMoog IIIとその内蔵ステップシーケンサー、アナログ多重録音機を駆使して制作した「スイッチト・オン・バッハ」が、世界で最初のステップシーケンサーを活用した商業アルバムと言われている。第1回で取り上げたように冨田勲氏は1973年に「雪は踊っている」、1974年には「月の光〜ドビュッシーによるメルヘンの世界」でMoogステップシーケンサーを活用した曲を発表している。当時のシンセサイザーはモノフォニックであり、またセッティングを記憶できないのでアナログ多重録音機の併用で気の遠くなるくらいピンポン録音作業を繰り返して制作された貴重な作品であると言える。

マイクロコンポーザー登場

マイクロコンポーザーMC-8は電子楽器メーカーROLANDが世界にその名声を知らしめたマイコンチップとメモリを内蔵した、世界で最初の打ち込み専用コンピュータである。ステップシーケンサーでトラック毎の楽曲再生とピンポン録音作業を大幅に改善できる、当時としては画期的な製品であった。YMOの松武秀樹氏は1975年、矢野顕子のアルバム「トキメキ」で初めてMC-8を採用、冨田勲氏は1975年のアルバム「プラネッツ」からMC-8を活用した。また、安西史孝氏も大ヒットアニメ「うる星やつら」で全編MC-8を活用している。

フェアライト、シンクラビア時代

1980年代初頭はまさにマイコン創世記であった。6809CPUを活用したオーストラリアのフェアライトCMIと、DECをホストに活用した米国のシンクラビアは統合型コンピュータ楽器として当時はその双璧と呼ばれた。両機ともマイコンベースのデジタルケンサーを内蔵していたが各社で入力の作法が異なっていたため、一度習得すると他機種への乗り換えは困難だった。
フェアライトは現在のシーケンサーの原型とも言うべきリアルタイムシーケンサー「PAGE-R」を追加開発し、世界的なヒット曲としてはピーター・ガブリエル氏の「スレッジハンマー」が、日本では松浦雅也氏が故伊丹十三氏プロデュースの「Sweet Home」のサウンドトラック「Mother Ghost Theme #1」でこの「PAGE-R」を活用したのが印象深い。(参考Webサイト: 松浦雅也氏のWebサイト「七音社」

MIDIの登場と専用デジタルシーケンサー

1980年代初頭のマイコンブームは音楽シーケンサーにも大きな影響を与えた、特に1982年に制定されたMIDI規格の登場により市場は一気に拡大を見せる。Roland MC-500はマイクロコンポーザーMC-8からの伝統を継承しながら、最新のMIDI規格を採用した画期的な製品だった。いち早くMIDI規格に対応したシンセサイザー、YAMAHA DX-7とともに世界中のミュージシャンが一斉に電子楽器とデジタル録音の世界に没頭し始めた時代だった。

Mac、PC対応MIDIシーケンサーの勃興

1980年代初頭はいわゆる「パソコン」の創世期でもあった。Apple, Amiga, ATARI, IBM等が独自のOSで覇権を競った時代に、MIDIを採用したパソコンベースのシーケンサーが登場する。パソコンのワープロソフトが専用ワープロに取って代わったように、MIDIシーケンサーもパソコンソフトが優位を迎える時代に突入した。
1983年から1984年にかけてDigidesign、Opcode、Steinberg、MOTUといった後の有力音楽ソフトメーカーが産声をあげている。パソコンの誕生、MIDI規格の制定、デジタルシンセサイザーの登場、普及型多重録音機の登場が、創業者精神に富んだ若手経営者の心を大きく揺り動かしたようだ。

MS-DOSベースのMIDIシーケンスソフト

MS-DOSベースの代表的なシーケンスソフトは、1985年に発売されたCOMEON MUSIC「RCP-PC98(後のレコンポーザー)」だ。前述のマイクロコンポーザーMC8、MC-500と同じ打ち込み概念をパソコンベースで採用した製品だった。
「打ち込み」は世界的にみても日本で先鋭的に発達した音楽制作手法であり、初期のゲーム音楽や通信カラオケ等のようにメモリや記録メディア、通信回線容量が限定的だった時代に、最小メモリ空間で最高のパフォーマンスを発揮する、きわめて日本的様式美の典型がここにある。極限までの打ち込み技術を駆使した「デスクトップミュージック(DTM)ブーム」のルーツとも言える、この技術の蓄積とファン層の拡大が「通信カラオケ大国、携帯着メロ大国、ゲーム・アニメミュージック大国」日本発のジャパンポップカルチャーの原点風景ではないだろうか。

MacベースのMIDIシーケンスソフト

1984年、時を同じくして東海岸ボストンでPerformerで著名なMark of the Unicorn(MOTU)社が、また西海岸パロアルトでOpcode Systems社が誕生している。当時はPerformerがMacベースのMIDIシーケンスソフトとして最初の製品であり、OpcodeはMIDIインターフェースやDX7用の音色管理ソフトを開発していた。
1987年Opcodeはステップ編集機能とリアルタイム入力機能の両方を兼ね備えたVisionを発表し、矢継ぎ早にMIDI音楽ファイルの標準フォーマット「Standard MIDI File 1.0(SMF)」やコンピュータとのMIDIプロトコルを標準化する「Open MIDI System(OMS)」を市場に向けて提案した。1990年前後からのマルチメデイアブームの中でこれらのフォーマットが事実上のデファクトスタンダードの地位を確立することになり、日本でもAMEI(音楽電子事業協会)によるSMFの標準化推進やJASRACとのMIDIデータ著作権料率の早期決着により、世界で最初の通信カラオケ事業が1990年前半に立ち上がりだす。
折からのマルチメディアブームの影響で人に優しいGUIベースのMacはたちまち音楽市場を席巻し、SMFの普及と共にOpcode Visionは大躍進を果たす。1992年のNAMM ShowでOpcodeはDigidesignとの共同開発による、MIDIとオーディオが統合されたStudio Visionを発表。近年では一般的となったコンピュータDAWの基本概念がここに確立する。

Steinbergの登場と市場の成長

欧州製の代表的なMIDIシーケンスソフトとして、Steinbergの「Cubase」とEmagic(後にApple Computerに買収されブランドを統合)の「Logic」がある。ここではSteinbergの生い立ちを追ってみることにする。
Steinbergは1984年、ハンブルグでフリーミキシングエンジニアだったチャーリー・スタインバーグ氏とキーボーディストのマンフレッド・リューラップ氏が創業、1985年に発表された最初のMIDIソフト「PRO16」はCommodore C-64で動作するものだった。
1986年、ATARI 1040STにMIDIインターフェースが標準で搭載されると、欧州を中心にATARIの音楽ソフトブームが発生した。SteinbergはフランクフルトMusikMesseで「PRO24」MIDIシーケーサーを発表、同年日本市場にも登場している。ATARI自体が同じモトローラCPU6800を使用しながらMacと比べて価格は半分以下だったことに加え、縦方向はMIDIを録音していく「トラック」、横方向は左から右へ時間(小節)の経過とともに進み、録音した情報が五線譜に書かれた音符ではなく「箱」になり、その箱に鉛筆、消しゴムなどのツールで編集を加え、はさみで切ってのりで貼り付け、さらにアレンジしていくという従来の概念を刷新するGUIを採用し、一躍大ヒット作となる。この時期のSteinberg製ソフトウェアが、現在のMIDI/オーディオ統合型シーケンスソフトのスタイルに大きな影響を与えたことは言うまでもない。
その後1990年にMac対応、1992年にWindows対応の後継モデルCubaseを発表。1997年、専用ハードウェアDSPを必要としないCPUベースのソフトウェアとして、世界初の仮想スタジオ概念をもったCubase VSTを発表。オープン規格の「VST(Virtual Studio Technology)プラグイン」と、プロ用途に耐え得るオーディオ・デバイス規格「ASIO(Audio Stream Input/Output)ドライバー」を提唱し、CPUネイティブ環境での音楽制作の基礎を作るに至る。これらの規格はIntel、PowerPCといったCPU高速化の波に乗り一気にデファクト・スタンダードとなった。百社を超えるサードパーティがこの規格を採用することで、コンピュータ市場での最有力DAWソフト会社に躍り出た同社は2000年、完全な32ビット浮動少数点演算内部処理による高音質を誇るWindows版「NUENDO」を発表、翌年にはMac版「NUENDO」、2002年にはNUENDOで実現したオーディオエンジンをCubaseにも移植し、Windows/Macの両プラットホームに対応する「Cubase SX」を発表。その後、ご存知のようにSteinbergは2003年にピナクル・システムズ社(米)によって買収され、2005年にはヤマハ株式会社の傘下企業となっている。

欧州製MIDIシーケンスソフトの優位性とは

1980年代後期、世界市場での有力メーカーは米国勢のMOTU、Opcode Systemsだった。SteinbergやEmagicはまだまだ欧州ローカルの企業にしか過ぎなかった。しかしOpcodeは、1999年にギターメーカーのGibsonの傘下となり主力ソフトウェアVisionの開発はストップ。MOTUもソフトウェアの開発は継続しているが、販売の主力はオーディオインターフェースへと移行している。
なぜ現在は欧州勢が優位に立ち、北米勢は衰退したのだろうか? 考えられる要因としてMOTU、OpcodeのソフトはともにMac専用であり、北米および日本市場の販売比率が高く、他市場への関心が低いためにアプリケーションそのもののWindowsへの移植が困難であった。筆者もWindows95版のOpcode Visionや、ATARI用MasterTracks ProのNEC PC-98への移植を経験したが、大変困難で満足のいく結果が出なかったことを今も痛感している。
比べてSteinberg、EmagicはATARIから市場拡大するWindows/Macへとマルチプラットフォームに展開する戦略を取り、積極的に欧州から北米、日本へと市場を拡大していった。また、VSTやASIOに見られるような標準規格を公開することで、ソフト&ハードウェアメーカーも巻き込み市場シェアを一気に広げたのだった。同じ時期に一世を風靡した日本のCOMEON MUSICが世界戦略を取れず、Windows版への対応も遅れたのとは好対照である。その意味では、現在、事実上唯一と呼べる日本製のMIDIシーケンスソフト、インターネット「Singer Song Writer」には期待を寄せたい。

 - 続く -


[ 掲載日時: 2006年06月21日 | この記事のURL ]

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mi7.co.jp/blog/mt-tb.cgi/28

トラックバック


連載記事
 MI7社長ブログ
 Podcasterになろう!
 Pro ToolsとReason道場
 Relationship Cubase&Reason
 SoundStudy
 トラックメイキングの現場から
 安西史孝の音源研究所
 初級音楽理論講座

月別記事一覧

RSS 2.0

Movable Type 3.2-ja-2

Warning: include(../../../footer.php) [function.include]: failed to open stream: No such file or directory in /home/cs10683/mi7.co.jp/htdocs/blog/archives/mi7/digital_contents3.php on line 214

Warning: include(../../../footer.php) [function.include]: failed to open stream: No such file or directory in /home/cs10683/mi7.co.jp/htdocs/blog/archives/mi7/digital_contents3.php on line 214

Warning: include() [function.include]: Failed opening '../../../footer.php' for inclusion (include_path='.:/usr/local/lib/php:/usr/local/share/pear') in /home/cs10683/mi7.co.jp/htdocs/blog/archives/mi7/digital_contents3.php on line 214