この製品は生産完了となりました。何卒ご了承ください。


ADL 700

1チャンネル・ハイボルテージ真空管チャンネル・ストリップ



Color As It is|Tomonao Hara Quartet
Mick沢口氏がADL 700で録音
制作秘話に加えて、ADL 700で収録した「Color As It is」からGaugeのサウンド・サンプルも試聴可能。柔らかさと解像度を両立したハイレゾ・サウンドをオンラインでご体感ください。
Color As It is|Tomonao Hara Quartet




ADL 700のサウンドを体感!
オンラインのサウンド・サンプルおよびビデオに加えて、お近くのディーラーでサウンド・クオリティを体感してください。
ADL 700試聴可能ディーラー:
ロックオンカンパニー|渋谷店
宮地楽器|神田店



The Professionals Reviews
Mick沢口
数々の輝かしい功績を収めているサラウンド寺子屋塾主宰/サウンド・プロデューサーのMick沢口氏が、PreSonus最高峰のハイエンド・チャンネル・ストリップADL 700をレビュー。ADL 700で収録したサウンドも試聴可能!
Mick沢口



鈴木誠(ティーズ・コーポレーション)
鈴木誠
今回紹介するのはプリアンプ、FETコンプレッサー、4バンドEQを2Uに詰め込んだPRESONUSのチャンネル・ストリップ、ADL700です。どちらかと言うと、近年の同社は自宅スタジオに向けたコスト・パフォーマンスの高い製品を提供し、ミュージシャンやアレンジャーから信頼を勝ち得ているイメージでした。しかしADL700は価格から見ても従来の製品とは気合いの入り方が違うようです。早速チェックしましょう。
[鈴木誠氏のレビューを読む]



製品紹介ビデオ
feat. クリス・ルブラン
サウンドをオンラインで体験!ADL 700とBlueマイクロフォンKiwiだけによる未編集/未加工の一発レコーディング。そのサウンドをノンフィクションで
ADL 600



関連製品
ADL 600 — 2チャンネル・ハイボルテージ真空管プリアンプ
ADL 600



関連製品
Studio Channel — 12AX7真空管チャンネル・ストリップ
Studio Channel

一切の妥協なし、PreSonus最高峰のチャンネル・ストリップ

ADL 700秀逸のハイエンド・サウンドと優れた適応性が、最上位モデルのこの真空管チャンネル・ストリップの特長。ADL 700は、数々の賞に輝いた高品位プリアンプ、カスタムデザインのFETコンプレッサー、カスタム4バンド・セミパラメトリックEQを統合したチャンネル・ストリップです。

PreSonusの高品位チャンネル・ストリップであるADL 700は、10Hzから45kHzまでの広範な周波数レスポンスを誇り、ハイエンド機器に相応しい機能を全て備え、PreSonusならではの優れたコストパフォーマンスをも両立しています。

ユーザーのニーズに応えて誕生

ADL 700は、ユーザーのニーズに応えて誕生した製品。世界的な真空管回路デザイナーAnthony DeMaria Labs(ADL)がデザインしたPreSonusのハイエンド2チャンネル真空管マイク・プリアンプであるADL 600 は、チャック・エインレイ、ジミー・ダグラス、マーク・マンシーナ、デメトリック・コリンズ、ヴィクター・ウッテンなど、トップ・アーティスト、エンジニア、プロデューサーから熱い支持を得ており、そのADL 600のサウンドに優れたコンプレッサーとEQを搭載したシングル・チャンネルかつチャンネル・ストリップでもある次期製品を望む声が殺到しました。

この声を形にするべく、PreSonusの人気アナログ回路であるXMAX™プリアンプなどを開発してきたベテラン・エンジニアのロバート・クリール氏にデザインを依頼。ロバート・クリール氏、そしてAnthony DeMaria Labsとのコラボレートにより誕生したADL 700チャンネル・ストリップは、正にPreSonusとユーザ-の思いを形にした究極の製品なのです。

ADL 700に込められたエッセンス

ADL 700は、クラスAのディスクリート・デザイン、6922真空管を2基、12AT7真空管を1基、計3基の真空管を搭載。そして、±300Vのパワー・レースで動作することで最大限のヘッドルームと極めて優れたサウンドを提供します。さらに、デュアルトランス・デザインにより、超低ノイズと最大限のコモンモード・リジェクションを実現。その結果、存在感と温かみがあり、スムーズでクリアなサウンドを提供する、超低ノイズの真空管プリアンプが誕生したのです。

ADLシリーズのプリアンプは±300Vものパワーレールを採用していますが、オペアンプを使用した一般的なプリアンプでは10V〜18V程度のパワーレールが使用されています。ADLシリーズの±300Vものハイ・ボルテージ・パワーによって、余裕のあるヘッドルームが得られ、リッチな低音域、滑らかな高音域、奥行きのあるサウンドが得られるのです。

ADL 700のプリアンプは、トランジスター、レジスター、コンデンサーのみで構成されており、超低ノイズと透明度を提供しています。一般的なプリアンプに使用されているオペアンプではノイズ、色付け、ざらついた質感を付加してしまいますが、ADL 700にはそれが一切ありません。

パワーアンプは、出力段のデザインによりクラスA、B、AB、D、G、Hの各級に分類されています。ADL 700のクラスAプリアンプでは、出力回路は信号スイングのサイクル全体やバイアス電流フローに対して常にオンの状態が保たれるため、一般的なクラスA/B回路と比較して、電圧が切り替わる際に生じるクロスオーバー歪みがなく、よりピュアでクリーンな音楽的サウンドを実現できます。

ADL 700は、大型で高品質、カスタム・デザインのシールド入出力トランスを採用しています。これらにより、プリアンプは(マイクおよびA/Dなどから)分離します。これは、ADL 700のようなハイボルテージ真空管プリアンプ・デザインでは非常に重要なファクターです。

ADL 700に採用したCineMag社製の入力トランスは、プリアンプのほぼフラット/リニアでディテールに優れたサウンドを実現。CineMag社製トランスは、並外れたクオリティのサウンドを提供します。加えて、ニッケル/アイアン・コアの大型出力トランスにより高いヘッドルームをもたらします。超高レベル時では、「クリーミー」と表現したくなるほど心地よいサチュレーションが生じ、これがサウンドに優れた仕上がりを付加するのです。

最大限のフレキシビリティ

極めて高いサウンド・クオリティに加え、ADL 700プリアンプはその操作性と柔軟性でも特別な存在です。

ADLシリーズには独自の優れた機能が数々実装されています。入出力には、トランス・バランスXLRマイク入力、トランス・バランスXLRライン入力、¼” TSインストゥルメント入力、トランス・バランスXLR出力が搭載。入力ソース選択スイッチでは、シグナル・ソースを常時接続し任意のソースを選択することができ、選択した入力をシグナル・チェーン内でパッチングし、他の2つの入力を完全にバイパスすることも可能です。

プリアンプでは、マイク入力インピーダンスを1500Ω、900Ω、300Ω、150Ωの4タイプから選ぶことが可能です。マイク入力インピーダンスを調整することで微妙なカラーリングやフィルタリングの効果を生みだし、EQを使用せずに幅広い音色を得ることも可能です。

一般的なマイク・プリアンプの入力インピーダンスは1〜2kΩの固定値となっていますが、ADL 700では可変マイク入力インピーダンスを提供しており、1500Ω、900Ω、300Ω、150Ωから設定可能です。

プリアンプの入力インピーダンスが下がるとマイクに負荷抵抗がかかりますが、これがマイクにダメージを与えることはありません。逆に、マイク入力インピーダンスを可変することで、微妙なカラーリングやフィルタリングの効果を生みだし、幅広いサウンドを得ることが可能となるのです。

一般的に入力インピーダンスが低い場合には、マイクのサウンドがより「暗く」「閉じた」音になり感度が変化します。この効果は、アクティブなマイク(コンデンサー・マイクまたはリボン/ダイナミック・マイク)よりも、パッシブなマイク(リボンまたは可動コイル)で際立ちます。 

ADL 700では、可変のマイク入力ゲインを提供しており、35dBのゲインを5dB単位で提供する軍用グレードの8段階ロータリー・スイッチを採用しています。さらに、トリム・ポテンショメーター(±30dB)では、ADL 700入力の最終プリアンプ段に微調整を加えるも可能です。

ADL 700の出力段には、可変アッテネーターにより±10dBのトリム調整が可能で、どのような用途であっても最適なゲインを得ることができます。

タイトなスクイーズ

ADL 700のFET(Field-Effect Transistor:電界効果トランジスター)コンプレッサー・セクションでは、完全可変のアタック、リリース、スレッショルド、レシオ、メイクアップ・ゲイン、バイパスの各コントロールを搭載(コンプレッション・カーブはソフトニー)。ADL 700を2台使用しコンプレッサーをステレオ・リンクさせれば、より正確なステレオ・イメージングを実現できます。

「ニー」とは、コンプレッション・カーブをグラフィック表示した場合に、スレッショルド・ポイントでどのように曲がるかを示した言葉です。

ハードニー・コンプレッションでは、シグナルに適用されるゲイン・リダクションは、シグナルがスレッショルドで設定されたレベルを超えると同時に発生しますが、ソフトニー・コンプレッションでは、ゲイン・リダクションの開始は、シグナルがスレッショルドを超えた後ゆるやかに発生し、より音楽的なレスポンスとなるのです。

ADL 700に搭載されているものと同じFETベースのコンプレッサーは、トランジスターを使用して三極管の動作とサウンドをエミュレートします。このタイプのコンプレッサーは、同価格帯のチャンネル・ストリップに搭載されている他タイプのコンプレッサーと比較して、一般的にアタックタイムが高速で優れた信頼性を提供します。

アナログ・コンプレッサー・デザインには大きく分けて次の4種類が存在します。光アイソレーターを使用するもの(オプティカル)、電界効果トランジスター(FET)、Studio Channelで採用している電圧制御アンプ(VCA)、可変ゲイン・コンプレッサーです。それぞれに用途がありますが、ここでは、ハイエンドのチャンネル・ストリップに採用されているオプティカルとFETの2種類を紹介します。

現在のハイエンド・チャンネル・ストリップの多くは、オプティカル・コンプレッサー回路を使用しています。一般的に、これらのコンプレッサー内のオプティカル回路のレスポンス・タイムはアタックとリリースをソフトにする傾向があり、ボリュームの変動をスムーズにすることができます。これらには特徴的な音響特性があるため、エフェクトとして、またはゲイン・コントロール・デバイスとして使用できます。

ADL 700が採用しているFETコンプレッサーは、特別なトランジスターを使用してゲインを変化させ、三極管サウンドをエミュレートします。本質的に高インピーダンスなデバイスであるFETコンプレッサーは、クリーンで信頼性に優れており、ほとんどのオプティカル・コンプレッサーに比べてより高速なアタック・タイムを提供します。

オプティカル・コンプレッサーのサウンドが必要という場合もあれば、FETベースのコンプレッサーを使用したい場合もあり、どちらを選ぶかは好みの問題と言えます。

しかしながら、特徴的なサウンドが得られるという点を除いて、オプティカル・コンプレッサーにはデメリットもあります。最も顕著なのは、オプティカル・コンプレッサーに含まれるコンポーネントが高温または低温になると、アタック・タイムやリリース・タイムが大きく変化してしまう点です。つまり、結果が一定しておらず、例えばソング内のスネア・ヒットがそれぞれまったく異なるサウンドになってしまうことがあります。

対してADL 700で採用しているFETコンプレッサーは、温度の変動に影響を受けず、常に再現可能な一定した結果をもたらします。

また、オプティカル・コンプレッサーには環境面への問題もあります。オプティカル回路にはカドミウムが少量含まれており、この金属はRoHS指令(電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会及び理事会指令)で新規電子機器への使用が禁止されています。オプティカル・コンプレッサーや一部のプロ・アスリートとは異なり、ADL 700のFETコンプレッサーは禁止薬物を使用していません。

カスタム・デザインのEQ

ADL 700の4バンド・セミパラメトリックEQ(ローバンドとハイバンドはシェルビングとピークの間で切替可能)セクションは、音楽性を考慮しプリアンプとコンプレッサーに合わせてカスタム・デザインされています。分離フィルターと最適化されたバンド毎のQを組み合わせ、不快なアーチファクトの出ない絶妙なシグナル・シェイピングを提供でき、全バンドにゲイン(±16dB)と周波数コントロールがあり、オーバーラップ周波数範囲および固定Q(0.55)を設定可能です。

ADL 700には、-16〜+16dBのゲイン・コントロールが用意されています。

ローバンドの中心周波数範囲は20〜250Hz、ローミッドは160Hz〜2kHz、ハイミッドは800Hz〜8kHz、ハイバンドは2〜20kHzです。バンドはオーバーラップします。

2つのミッド・バンドはピーク・バンドです。ピーク・イコライザーは(周波数コントロールで選択されている)中心周波数周辺の周波数帯域をブーストまたはカットします。バンド幅は、バンド幅コントロールまたはQコントロールを使用してフルパラメトリックEQ内で変更できます(Qは中心周波数のバンド幅に対する比で定義され、Qを低くすると周波数帯域が広くなります)。この好例が、デジタル・ミキサーStudioLive 24.4.2のパラメトリックEQセクションです。

セミパラメトリックEQでは、Q(およびバンド幅)は固定です。ADL 700のQは0.55に固定されており、十分な幅の周波数帯域を提供します。

つまり、ADL 700のピークEQバンドでは、選択可能な中心周波数から±16dB単位で幅広い(Q=0.55)周波数帯域をカットまたはブーストすることができます。

EQのハイ・バンドおよびロー・バンドは、ピークとシェルビングの間で動作を切り替えることができ、ピーク・バンドとして使用する場合、2つのミッド・バンド(中心周波数範囲を除いて)と同様に動作します。

シェルビングEQは、指定のカットオフ・ポイントを上回るまたは下回る周波数を減衰またはブーストします。このモードでは、そのバンドの周波数コントロールは、中心周波数ではなくカットオフ周波数を設定します。

シェルビング・モードでは、ADL 700のハイ・バンドはローパス・フィルターとなり、カットオフ周波数を下回るすべての周波数をパスし、カットオフ周波数を上回るすべての周波数を減衰します。ロー・バンドはハイパス・フィルターとなり、カットオフ周波数を上回るすべての周波数をパスし、カットオフ周波数を下回るすべての周波数を減衰します。どちらのバンドでも、カットオフを上回る周波数は既定のカーブに従ってロールオフされ、ゆるやかな傾きで減衰します。

どちらが先?

シグナル・チェーン内でコンプレッサーをEQの前段に置くのか後段に置くのか。コンプレッサーをEQの前に置くと、コンプレッサーの設定を変更せずともEQ設定に大きな変化を加えることができます。しかし、EQをコンプレッサーの前に置くと、周波数帯域をよりよくコントロールでき、より自然なレスポンスが得られます。

ADL 700の[EQ>Comp]スイッチを使用すれば、用途に合わせていつでもシグナル・フローを柔軟に選択でき、両方の利点を活用できます。

また、フロントパネル・スイッチを使用すれば、コンプレッサーとEQを個別にバイパスすることも可能です。

その他も充実

ADL 700には、耐久性に優れた軍用グレードの+48Vファンタム電源、極性反転、20dBパッドに加え、-12dB/オクターブのハイパスフィルターの周波数のスレッショルドは20Hz、40Hz、80Hz、200Hzに設定または完全にオフにすることができ、ルームノイズや低周波ノイズのコントロールにも最適です。

メーターにも抜かりはありません。素早いレスポンスの8セグメントLEDメーターは、高速のトランジエントやピークを正確に検出。大型でバックライト付のデュアルモード・アナログVUメータリングにより、出力とゲインリダクションのレベルのモニタリングが可能です。-6dBスイッチは、ホットソース・シグナルでの使用向けにメーターをオフセットでき、マスター・レベル・コントロールは出力全体を-80〜+6dBの範囲で調整します。

ペアでさらに活用

ADL 700は、1台でも、2台をペアにしても利用可能。2台のコンプレッサー・セクションをステレオ・リンクすることも可能で、スレッショルド・コントロールをST位置まで反時計回りに回すと内蔵コンプレッサー・コントロールがバイパスされ、コンプレッションは2台目のADL 700へのステレオ・リンク接続を介して外部コントロールされます。

広範な機能セット、超低ノイズ(-100dB S/N比)、73dBゲイン、10Hz〜45kHzの周波数レスポンス、優れたサウンドを提供するADL 700は、レコーディング・エンジニアやミュージシャンにとって最高のクリエイティブ・ツールです。



MI7 STOREでご注文可能


ガイド

PreSonusブランド・ガイド
ガイドを読む