Kenji Nakai


Sceptre

HD CoActualアクティブ・スタジオ・モニター



The Professionals Reviews
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宮地楽器|神田店
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MISIAを発掘し「Everything」や「つつみ込むように」をプロデュースした大物プロデューサー与田春生氏と、幅広いジャンルのレコーディング&ミキシングに定評がある川口昌浩氏が、PreSonusの圧倒的なコストパフォーマンスを誇るErisをレビュー。
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Kenji Nakai|ミキシング/レコーディング・エンジニア


“Sceptreは明らかに位相が合っている、そして発音点がさらに一点になっている”

僕のミキシング上で最も影響を受けたエンジニアは、ホイットニー・ヒューストン、マライア・キャリー、ボーイズIIメンなどのアーティストを手掛けたミック・グゾウスキー氏です。彼が日本のアーティストのアルバムをリミックスするセッションがあり、僕はラッキーなことにアシスタントに付くことができ、その時に彼が持ち込んだのがタンノイの同軸モニターでした。もちろん同軸モニターを見たことはあったんですけど、その時はこのモニターを使うとこういう音が出来るんだと考えていました(笑)。

先ずは彼の真似から入ろうと思って早速タンノイのImpulse-10を導入しました。今でも日本とLAのスタジオでMastering Labのクロスオーバーが入っているML10を所有しています。思えば、同軸モニターとは20年位の付き合いですね。僕はPreSonusの長年のユーザーですし、同軸モニターの愛用歴も長いので、PreSonusがデザインするアクティブの同軸モニターSceptreに興味がありました。

同軸モニターは、ミック・グゾウスキー氏が使っていたのがきっかけですが、彼のミキシング・スタイルの特徴は、周波数レンジの広さ、左右の広がり、そして奥行きなんです。彼は自分のスタイルに合わせて同軸モニターをあえて選んでいるのだと気がつきました。

人間は、近くで鳴っている音と遠くで鳴っている音の違いが分かります。メーターの振りは同じでも、録音された音の違いはわかりますよね。じゃあ、それは何故なのかと考えれば良いわけです。まず周波数特性が違いますよね。距離が増えるにつれてハイとローが落ちていく。そして過渡特性も変わりますよね。近い音源はアタック・タイムが速くてリリースが短い。遠くになればなる程アタックとサスティーン・レベルの差がなくなる。加えて、原音と残響もしくは反射とのバランスです。近い音源は原音が多くて、遠い音源は残響もしくは反射が多い。これらをミックスで作り出していけば良いわけです。

僕のミックスもミックと同様に、左右の広がりと奥行きを信条としているんですけど、やはりスピーカーユニットの軸が2つとか3つとかあるモニターは、そのモニター内で軸がズレているわけですね。例えば、NS10を単純に横置きするとセンターが出にくくなる。そうすると広がりのない音が広がって聴こえてしまう。もちろんそこで作品を聴いていれば良いんですけど、フルレンジで聴くと当然広がりのない音になっているわけです。

位相がズレるってことは色々な意味で不正確ですし、広がりのない音が広がって聴こえてしまうということは、奥行きの表現にも影響する。そういう意味で、同軸モニターは、広がりのない音は広がらず、チューニングされた部屋ではモノがスパッと中心に出るんです。ただ、同軸モニターは作業的に難しいんですよね。広がりのない音は広がって聴こえないですし、奥行きがない音は奥行きがなく聴こえるし、良くない音は良くなく聴こえるので、作業的にはつらい立場になると思うんです。でも作業上はそれが必要ですし、僕のミックス・スタイルである横の広がりと奥行きを表現するには同軸モニターが必要なのです。

PreSonus Sceptreシリーズを初めて聴いた印象は、明らかに位相が合っていると感じました。そして、当然ですが音の発音点も合っていると感じました。一般的な同軸モニターは、最終的に物理的な要因で合わせきれなかった部分もある気がしますが、PreSonus SceptreはDSPを使ってタイム・アライメントしているので、さらに発音点が一点になっている印象です。ここで使用しているSceptre S8は本当に良い同軸モニターですね。アイディア豊かなPreSonusですから、デジタル入力を装備したり、Smaartの技術を応用して自動ルーム・チューンできるような製品も期待していますよ。

取材協力:スプラッシュ・サウンド・スタジオ
PHOTO:エムアイセブンジャパン|マーケティング



Kenji Nakai

Kenji Nakai|ミキシング/レコーディング・エンジニア

国内でレコーディング・エンジニアとして6年間の活動後、'90年に渡米。以降、ロサンゼルスを拠点に活動。レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、トム・ペティ、チープ・トリック、ボズ・スキャッグス、セリーヌ・ディオン、トム・スコットなど、著名なアーティストの作品を数多く手掛け、日本ではCHARA、福山雅治、アンジェラ・アキ、X JAPANなどの作品にも携わる。





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