Sceptre

HD CoActualアクティブ・スタジオ・モニター



The Professionals Reviews
Kenji Nakai
ロサンゼルスを拠点に著名なアーティストの作品を数多く手掛けるミキシング/レコーディング・エンジニアのKenji Nakai氏が、PreSonusの同軸モニターSceptreをレビュー。
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宮地楽器|神田店
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製品紹介ビデオ

滝澤武士|レコーディング・エンジニア


“Sceptreでミックスした音は、別のスタジオに移ったときにギャップが無い”

槇原敬之さんの作品には、かれこれ9年位関わらせて頂いています。歳は近いんですけど、本当に現代の天才だなと思いますね。シンガーソングライターでありながら、アレンジもプログラミングも全て自分でやられる。槇原さんがご自宅で作ってこられるデモ・テープはものすごく完成度が高くて、もうそのまま出せるんじゃないかというクオリティなんですよ。だからエンジニアとしては困るんですが(笑)、ここ(槇原敬之さんのプライベート・スタジオ、Jingumae Buppu Studio)で一緒に作業することで、さらに上のサウンドを紡ぎ出しているという感じですね。僕はこれまで多くのアーティストと仕事をさせて頂きましたが、槇原さんは自分の中にある気づかなかった部分を引き出してくれるんです。後で聴くと、自分でも何でこんな音にしたんだろうというのがあったり..。ですから槇原さんとの仕事は、何度ご一緒させて頂いても新鮮なんですよ。

モニター・スピーカーに関しては、本当にいろいろ使ってきました。最初はご多分に漏れずヤマハNS-10Mで、今振り返っても良いモニター・スピーカーだったとは思うんですけど、20年位前に「この音はこれからの時代の音楽には合わないな」と思い、いろいろ試した中からフォステクスNF-1/NF-1Aに変えたんです。その後はM-Audio Studiophile DSM1、Dynaudio BM12A、Genelec 8240Aなど、結構入れ替えましたね。モニター・スピーカーって、仕事をこなす上でかなり重要な道具だからだと思うんですけど、ちょっとでもダメな点を感じると、それがすごく気になってしまうんですよ。それに、その時々でのサウンド面での流行りもありますしね。

これまで使ってきたモニター・スピーカーの中で、特に印象に残っているのはStudiophile DSM1です。プロであまり使っている人は見かけないモニター・スピーカーですけど、これがもの凄く良かったんですよ。出音が良いというか、とても作業しやすいサウンドで、かなりお気に入りでした。ただ弱点があって、S/Nがあまり良くなかったんですよ。うねるようなノイズが微妙に出ていて、それが気になり始めてからは使わなくなってしまいました..。本当に良いモニター・スピーカーで、S/Nが良ければ使い続けたかったんですけどね。スタジオにやって来る人でも、Studiophile DSM1のことを悪く言う人は誰一人としていませんでしたよ。

そして今年の夏前位にPreSonus Sceptreのことをインターネットで知って、すぐにデモ機をお借りして試してみたんです。Sceptreの何が気になったのかと言えば、一番はDSPで制御されている点。Studiophile DSM1も内蔵DSPによる音響補正が好印象だったので、Sceptreも同じような回路を搭載しているのかなと..。そして調べてみたら、何とStudiophile DSM1の開発に関わった人がSceptreを手がけたということを知って..。これはすぐにでも試すしかないと興奮しましたよ。ただ、Sceptreの一番の特徴は同軸構造だと思うんですけど、元々同軸スピーカーが苦手だったこともあって、あまり惹かれないというのが正直なところでした。何か同軸スピーカーって、すべて同じ音になってしまうような気がしていて..。だからSceptreも同軸ということで、やっぱり「あの音」になってしまうのかという点は気になりました。

そしてJingumae Buppu StudioにSceptreのデモ機を持ち込んでエンジニアの渡辺修一さんと試してみたところ、それまで嫌だった同軸の「あの音」はまったく感じなかったんです。同軸ならではの位相や定位の良さはしっかりありつつ、それでいて「あの音」は感じなかった。最初、中高域の立ち上がりがすごく速く感じて、「これは長時間使うと聴き疲れするタイプのモニター・スピーカーかな」と思ったんですが、少し使っただけでその音に慣れてしまいました。単純に自分の中での処理が追いついてなかっただけで、全然聴き疲れするタイプのモニター・スピーカーではなかったですね。その後、NF-1と比較試聴してみたんですが、Sceptreは出音にものすごく安心感があって。NF-1は悪くないモニター・スピーカーだったんですが、外のスタジオに行ったときにけっこうギャップを感じていたんですよ。「あれ? NF-1ではこんな感じではなかったんだけどな」みたいな。そういうギャップがSceptreには無かった。正確には、まったく無いわけではないんですが、ギャップが気にならない部分に生じるというか。やっぱり開発者が同じだけあって、Studiophile DSM1と同じような傾向にあるサウンドだと思います。

ドンと出したいときにドンと出てくれる。昔使っていたDynaudio BM12Aは、すごく正確なモニター・スピーカーだったんですけど、ある程度音がまとまらないと上手く鳴ってくれないのがストレスだったんですよ。良いんだけど使いづらいスピーカーだなって。その点、Sceptreはドンと出したいときにしっかり鳴ってくれる。やっぱり、ドンと出したいときに鳴ってくれるモニター・スピーカーでないと、僕もミュージシャンも盛り上がれないですから、これは音楽制作において重要なポイントですよね。

そんな感じで、Sceptreはデモ機を試して凄く気に入ったので、すぐに導入しました。今では自宅スタジオでもJingumae Buppu Studioでもメインのモニター・スピーカーとしてフル活用していますし、一緒にSceptreをテストしたエンジニアの渡辺修一さんもSceptre S6を導入されたそうです。日本での発売当初、すぐに完売してしまったという話を耳にして、「みんな聴く耳あるな」と思いましたよ(笑)。このスタジオに来た人に話を訊くと、みんながみんな絶賛するわけではないですけど、どちらかと言えばエンジニアよりもミュージシャンの評判が良いですね。みなさん、わかりやすいスピーカーだねっておっしゃってくれます。昨日もちょうど槇原さんとこのスピーカーの話になったんですけど、「これ、かなり良いかもしれないね。ミックスに良いかも」とおっしゃってました。僕もかなり気に入っているので、Sceptreはこれから末長く使うことになるモニター・スピーカーだと思います。

取材協力:Jingumae Buppu Studio
PHOTO:エムアイセブンジャパン|マーケティング



滝澤武士

滝澤武士|レコーディング・エンジニア

青葉台スタジオ、ダッチママスタジオでアシスタントエンジニアを経験した後、フリーランスに。AI、aiko、槇原敬之、石崎ひゅーい、Fis block、HOKT、Young Dais、東方神起、ポルノグラフィティなど、数々のレコーディングを担当。





                   
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