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レコーディング&ミキシング・エンジニア|山口泰 monk beat studio|薬王寺 monk beat studio|薬王寺 monk beat studio|薬王寺
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ビクタースタジオでキャリアをスタートさせ、CHARA、Crystal Kay、Cold Feet、m-flo、清春、大黒摩季、MOOMIN、UAなどを手掛け、その後ニューヨークに拠点を移しブリトニー・スピアーズ、*NSYNCなど、多くのメジャー・アーティストの作品に携わるレコーディング&ミキシング・エンジニアの山口泰氏。9.11を機に帰国し、オープンな環境でしか得られない瞬間を記録するために、江戸時代に建立された薬王寺内にmonk beat studioを構え、マスタリング・ソリューションとしてStudio Oneをセレクト。Studio Oneは、Neveの様に音楽的なサウンドで自在に音を掴めるのが魅力だと語る山口氏に独占インタビュー。

    

Studio Oneの凄さは音を瞬間的に掴めること、後は味付けするだけ

—— Studio Oneのサウンド・イメージとは
 わかりやすく言えば、Pro ToolsはSSLのような感じで、Studio OneはNeveに近い感じだと思います。Pro Toolsでのミックスは、音を細かくピックアップしてリファインするというSSLでの作業に近いものになるのですが、Studio Oneの場合はもっとガッツリ音を扱うことができるんです。音も太いので、とてもミックスしやすい。Pro Toolsの音は分離が良いので、混ぜるのに結構手間がかかるんですよ。分離が良いというのは、それはそれで悪いことではないんですけどね。

 それとStudio Oneは、サウンドがとても音楽的。音楽的なサウンドというのは、EQのポイントをひとつ上げただけで分かるんですよ。Pro Toolsのエッジに利いたサウンドにどっぷり馴染んでいた耳に、Studio Oneの太くて温かみのあるサウンドはとても新鮮でしたね。

 やっぱりStudio Oneの凄さは音を瞬間的に掴めること。もしくは、掴んでくれていると言った方が正しいと思います。誰かが既にマスタリングをしてくれた様な..。僕達エンジニアは、音をどうやって掴ませるかで作っているんですけど、Studio Oneはもう掴んでくれてるから、後は味付けするだけなんです。だからミックス・エンジニアはStudio Oneを怖いと思っているのではないでしょうか。

音をしっかり響かせることが重要だと語る山口氏が愛用する波動スピーカー
音をしっかり響かせることが重要だと語る山口氏が愛用する波動スピーカー

 そして、ミックスを行う上で、僕の中ではフェーダーというのは最も重要な道具です。だってフェーダーを下げれば音が消えてしまうのですから。音を完全にコントロールできる唯一の道具ですよね。誰かがフェーダーが一番のエフェクターだと言っていましたけど、僕もそう思いますよ。だからStudio Oneにも専用のフィジカル・コントローラーが出てくれれば、レコーディングやミックスまでも行うメインのプラットフォームとして真剣にStudio Oneを考えています。

—— マスタリングはいつ頃から始められたのですか
 プライベート・スタジオで、レコーディングからミックスまで全部自分達でやってしまうアーティストが増えているじゃないですか。それはそれで凄く良いことだと思うのですけど、そういったプライベート・スタジオで制作された作品を世にリリースするとなると、業務スタジオで仕上げられた作品とはどうしても差があるわけですよ。それだったらここで最終的なトリートメントまで施してあげようと思い、マスタリングを手がけるようになった感じです。

 でも、僕が行っている作業は、いわゆる業務スタジオでのマスタリングとは少し違うかもしれません。と言うのも、アーティストからミックス・マスターを聴かせてもらって、これはマスタリングで修正するよりも、ミックスを手直しした方が良いんじゃないかという楽曲もあったりするんですよ。そういう場合は、例えばドラムだけの2ミックスを別に貰って、それをマスターに足すことでミックスを補正したりします。だから業務スタジオの作業とはちょっと違うとは思いますが、別にそれは良いと思うんですよね。マスタリングというのは、あくまでもマスターを作る行程なわけですから、最終的に楽曲の仕上がりが良くなるのであれば良いと思っています。

STERLING SOUNDのトム・コイン氏にマスタリング・ベーシックを学ぶ

—— 山口さん流のマスタリングとも言えますね
 そうですね、僕流です。でも、完全に独自のマスタリングというわけでもなく、ニューヨーク時代は、STERLING SOUNDのシニア・マスタリング・エンジニアのトム・コイン氏にマスタリングをお願いすることが多くてよく足を運んでいました。だから彼のマスタリング・テクニックも理解しています。あまりにも僕が口を挟むものだから「そんなに注文をつけるならお前がやれ」とか言われたり(笑)。実際、彼のEQを触ったりしたこともありましたね。


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——マスタリングのワーク・フローについて
 Studio Oneに2ミックスのWAVファイルを読み込み、並べて曲間を調整します。ボリュームはほとんど触りませんが、EQとダイナミクスに関しては積極的に使います。マスタリングでのEQやダイナミクスは最低限というエンジニアは多いですが、僕は先ずは何より音をしっかり響かせる。高域がどうとか低域がどうとか、そういうことではなく、音をキチンと良い音で鳴らすことが重要だと思っているんです。その楽曲が持っているバイブレーションをしっかり引き出すというか。そのためには積極的にEQやダイナミクスを使うしかない。特にEQが重要で、僕はかなりかけますね。そういった音作りを行う上で大切なのが波動スピーカーです。もちろん、高域や低域の微妙な部分は見えないんですけど、あの樽が上手く共鳴するように音を作ります。

 マスタリングでのEQやダイナミクスはすべてStudio One純正のものです。Studio One純正のEQとダイナミクスは本当に良く出来ていますよ。一般的なマキシマイザーは、音圧は上がってもやっぱりマキシマイザーの音になる。でも、Studio One純正のコンプは、入れるだけで全体的に前に出てきて、しかも上下もデカくなる。だから、純正コンプ入れただけでOKって直ぐになりますよ(笑)。わざわざサード・パーティー製のプラグインを使う必要はないですね。


山口泰
山口泰San Francisco State Univ. 東京電機大学にて音響工学を学び、ビクタースタジオでキャリアをスタートさせ、CHARA、Crystal Kay、Cold Feet、m-flo、清春、大黒摩季、MOOMIN、UAなどを手掛け、その後ニューヨークに拠点を移しブリトニー・スピアーズ、*NSYNCなど、多くのメジャー・アーティストの作品に携わる。9.11を機に帰国。エンジニアに加え「十五夜の宴」の音楽プロデュースやmonk beatを主宰し、江戸時代に建立された薬王寺内にmonk beat studioを設立。
monk beatサイト:www.monkbeat.com


Photo:八島、伊藤、鈴木 Video:伊藤、鈴木

Studio One Professionalクロスグレード版の詳細

Studio One Professional

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