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David Zicarelli
Retina Display Ready

独自の音楽、サウンド、ビデオ、インタラクティブ・メディア・アプリケーションを作成することのできるパーツを提供し、キャンバスにオブジェクトを追加し接続していくだけの簡単な操作性で、ノイズの作成、テスト、再生などを実行するビジュアル・プログラミング・ソフトウェアMax。そのモダンなプラットフォームを縦横無尽に進化させるCycling '74のCEO & ファウンダー、そして開発者でもあるDavid Zicarelli氏へ独占インタビュー。

    

内部を見直し音質を向上させたMax 6 + Genの誕生

—— 最新のメジャー・アップデートであるMax 6の開発コンセプトとは
 最初のバージョンから現在のバージョンに至るまでに生じた大きな変化としては、Javascriptの追加も主要な新機能だと思います。言語ベースのプログラミングとグラフィカルプログラミングを組み合わせることで、より強力なパワーを追加できます。実は、Maxを開発するとき、私が理想としている形がこれなのです。そして、新機能の追加に重点を置きデジタル・オーディオとメディアにおける要望を問う必要があると考えたわけです。

 オーディオ分野だけでも、先進的なフィルター・デザイン、ピッチ・トラッキング、新しいオーディオ・ミキサー、マルチコア・オーディオ対応、全オーディオの64ビット・サンプル解像度、高品位オシレーター、サンプルレート互換、そして最も重要な機能としてGenで低レベルのDSPアルゴリズムを作成できる機能を追加しています。

メジャー・アップデートであるMax 6日本語版

 特に注目すべきポイントの1つ目は、JitterがMaxに内蔵されました。オーディオまたはその他のコントロールに適用可能な物理オブジェクトがJitterに含まれるようになったため、イメージ・プロセッシングを行わなくても、例えばビデオ・ゲームに見られるようなより「自然な」インタラクションをシミュレートできるようになりました。物理オブジェクトを使用し始めると、不思議にいろんなものがより「高解像度」に感じられるようになります。これは重要な機能だと思います。

 複雑なインターフェースの開発をより簡単に行える別の機能、特にJitterで便利に使える機能に、attruiオブジェクトがあります。これはメニュー型のインターフェース・オブジェクトで、カスタマイズ可能な簡易オブジェクト・インスペクターを提供します。また、データを管理するオブジェクト・セットであるディクショナリ・オブジェクトも追加しました。これらのオブジェクトは、Maxでの複雑なプログラミング・タスクを大幅に容易するだけでなく、これまでのcollオブジェクトに比べて動作も向上しています。

—— Max 6で音質が向上していますが、内部でどのような変化が起きているのでしょうか
 いくつかの主要な機能向上があります。先ずオシレーターのS/N比(信号対雑音比)を計測したところ、あまりよいとは言えないものでした。これは、1990年代の黎明期のコンピューターで一定のパフォーマンスを得るため、非常に小さなウェーブ・テーブルを使用して補間効率を上げるための次善策を取らざるを得なかったことに由来するものです。現在のマシンではこのような回避策は必要ないので、クオリティは飛躍的に向上しました。

 次に、MSPに64ビット・サンプルを導入しました。これは、32ビット・ランプで数秒後に数値エラーが生じることのある長い振幅エンベロープなどの場合で精度を維持するのに重要です。最後に、新しいMax 6フィルター・デザイン・ツールを使用してハイクオリティ・サンプルレート変換フィルターをデザインしました。

3つの領域で存在しているGen、そしてさらに進化を続けるMax

—— 新しいGenは、どのようなもので、ユーザーにはどのようなメリットをもたらすのでしょうか
 1つ目は、オーディオ・シグナル・プロセッシングの実行に使用することができます。MSPに似ていますが、より効率的で精度に優れています。例えば、GenではDSPをサンプル・レベルでコントロールできるため、あらゆる再帰フィルターを使用可能です。例えばMSP biquad~オブジェクトにあるような再帰フィルターは単一のサンプルのディレイを必要とします。MSPではこれは不可能で、DSPコードをCで記述する必要がありました。Genならば、DSPコードをMaxオブジェクトと簡単な式で記述し、最適化されたCコードに変換してすぐに使用することができます。コードをコンパイルしていることにも気づかず、単にMaxを使用しているだけのように感じられると思います。

 バーチャル領域では、グラフィックス・プロセッサー用の迅速なピクセル・プロセッシング・シェーダーをコンパイルできます。このシェーダーはこれまで奇妙な構文のプログラミング言語で記述する必要があり、うっかりプログラミング・エラーが生じてしまう可能性がありました。それが、即座に直感的なフィード・バックを得られるグラフィカルなプロセスになったわけです。同一のグラフィカル演算子の基本セットで、CPUにビジュアル・オブジェクトとマトリックス・プロセッシング・オブジェクトを使用することも可能です。実際、DSP Genの演算子は、Jitter Genの演算子によく似ています。このプログラミング・アプローチが、オーディオ・アルゴリズムのビジュアルへの応用、逆にビジュアル・アルゴリズムのオーディオへの応用という動きを促進するのではと期待しています。

 次に考えているのは、コードのエクスポート機能です。オーディオ領域では、シンプルなオーディオ・プラグインを作成する機能を開発中です。C++のプログラミング技術があれば、Genでアルゴリズムをデザインし、さらに別の方法で作成したユーザー・インターフェースを追加することも可能になるでしょう。もちろん、インターフェースのコードも生成できればと思ってはいますが、それは先のことになるでしょうね。

—— 今後どの様にMaxが進化するのか
 あらゆるものに対する開発環境へと進化させるアイデアがあり、ウェブ、モバイル機器などにも広がっています。Max 6は、DSPプログラミング、マルチメディア、そして先進的な音楽家のための環境ですし、エクスポートできる何かをMaxで簡単に作成できるようにしたいと考えています。実現すれば、oFに直接使用できるような形でMaxからエクスポートできるようになります。個人的にはProcessingにかなりの時間を費やしていますが、理由は近い将来に(笑)。

 新しいサウンドならMax 6のGen機能を是非試して欲しいですね。物理オブジェクトはパッチのコントロールと自動化に新たな可能性を数多く提供するはず。私達は、ユーザーのクリエイティブな活動領域を広げたいと常々考えています。新たな挑戦に立ち向かうMaxユーザーの皆様を私達は応援しています。


David Zicarelli|デヴィッド・ジカレリ
Cycling '74 CEO & ファウンダー
David Zicarelli約30年にも渡りクリエイティブな表現のためにインタラクティブなソフトウェアを開発し、1980年代には彼のインタラクティブなコンポジション・プログラムであるM、Jam FactoryおよびOvalTuneはアルゴリズムとユーザー・インターフェースを統合し新たな手法を開発しました。1989年以降ビジュアル・プログラミング・ソフトウェアMaxに取りかかり、1997年にはオーディオとビデオ・ドメインへMaxを供給するためにCycling '74を立ち上げました。最新の開発であるCycling '74のGenは、ビジュアル・グラフからDSPとGPUアプリケーションのためにコードを出力するシステムです。彼は、ヒアリングとスピーチ・サイエンスでスタンフォード大学から博士号を取得しています。
日本語ポータル・サイト:www.mi7.co.jp/cycling74/


ビジュアル・プログラミング・ソフトウェアMaxの詳細

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