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中村淳 中村淳 中村淳
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日本映画界を代表する録音技師、中村淳氏。「突入せよ!あさま山荘事件」、「日本沈没」、「あしたのジョー」、「十三人の刺客」、「愛と誠」、「悪の教典」など日本映画史に残る数多くの作品で録音を手がけ、第34回日本アカデミー賞では最優秀録音賞を受賞。大径の車輪が取り付けられたオリジナル可動式ラックに、MacBook Pro、拡張シャーシ、DAWシステム、そしてSolid State LogicのMADIルーター/スプリッターであるXLogic MADI-X8をマウントして撮影現場で稼働させている中村氏は、ルーティングの自由度を高めるためすべてのMADI機器をXLogic MADI-X8に接続し、コンピューター側から自由自在にMADIルーティングを制御。XLogic MADI-X8が無いシステムなど想像できないと語る中村氏に、その導入の経緯と使用感を独占インタビュー。

    
 

不自由なMADIルーティング問題を一気に解消したXLogic MADI-X8

—— 各社がMADI製品を発売したことで、すべてをMADI接続することが可能になったわけですね
 そうです。アナログ接続と比べると、接続は相当シンプルになりましたし、余計なコンバーターを通らなくなったぶん、音質的にも良くなりましたね。システムの重量も軽くなりましたし。

「藁の楯」の編集作業を行う中村氏

 でも、MADIを使い始めて不満だったのが、ルーティングだったんです。基本的な接続は、S-MADI(Digital Snake)からHD MADI(Pro Tools)、そしてDM1000(MY16-MD64)にいって、DM1000で作ったミックスを再びHD MADI(Pro Tools)に返すというものなんですが、一旦接続してしまったらこのルーティングで使うしかない。例えば、Digital Snakeから特定のチャンネルだけをDM1000に直接入れたりといったルーティングができなかったんです。DM1000の内蔵プロセッサーって意外と良くて、コンプレッサーだったらアタックをゼロにできたりとか、とても現場向きなんですよ。だから必要に応じて、DM1000でローを切ったり、コンプレッサーで処理をしてから、Pro Toolsに録りたかったんです。

 それでMADIのルーターはないかなと探したんですが、64chのMADI回線を一括でルーティングできるものはあったんですけど、その中のチャンネルを細かくルーティングできるものはなくて。そんなときに知り合いに教えてもらったのが、Solid State LogicのXLogic MADI-X8で、これだよこれ!という感じですぐに導入してしまいました。三池監督の最新作「藁の楯」(2013年/三池崇史監督)の現場で使ったのが最初ですね。

—— MADI-X8は、8ポートのMADI端子を装備したMADIルーター/スプリッターですが、現在はそこにすべて接続されているわけですか
 そうですね。XLogic MADI-X8は、512×512ポイントのルーティング・マトリックスを持っていて、コンピューターを使ってチャンネルごとに縦横無尽にルーティングを組むことができるんですよ。スプリッター機能も備えているので、任意のチャンネルを分岐することもできるんです。

 これによって、先ほども話したようなDigital Snakeの音声をDM1000で一度処理してからPro Toolsに録り、再度DM1000に入れてミックスするというインライン・コンソールのような使い方が可能になった。それとルーターがあると、監督や役者さんにモニターを返すというルーティングも簡単に組むことができるんですよ。また、映画の現場では、役者さんが不意に触ってしまったり、いきなり突風が吹いたりして、ワイヤレスが突発的なノイズを出すことがよくあるんですが、そんなときもノイズが入っていないマイクを簡単に選ぶことができる。現場で必要に応じてRecを外して、ミックスをやり直すということもできるようになりましたし、本当に便利になりましたね。

XLogic MADI-X8の登場によりMADIがさらに普及する

—— 現在の基本的なルーティングとは
 S-MADI(Digital Snake)から、まずはDM1000(MY16-MD64)にいって、そのダイレクト・アウトをHD MADI(Pro Tools)に入力し、DM1000の裏のチャンネルにPro Toolsに録ったものが立ち上がるというインライン・コンソール的なルーティングですよね。さらにその出力は、S-MADIの方にも監督やアシスタントのモニター用として返してある。このようなルーティングは、XLogic MADI-X8が無ければ難しかったでしょうね。

—— 現場ではルーティングを切り替えて使用するのですか
 いや、現実的には現場でルーティングを切り替えるということはほとんどないんですけど、必要に応じて呼び出せるように、いくつかプリセットは組んであります。ルーティングを行うためのSSLのソフトウェア、Logictivityブラウザーの使い勝手もいいですね。

—— MADIの音質やレーテンシーはいかがですか
 音質もレーテンシーも、まったく気にならないですね。レーテンシーは、もしかしたら生じているのかもしれないですけど、ほんの数サンプルでまったく分からないと思います。

 それにしてもXLogic MADI-X8は、本当に便利な機材ですよ。MADIって、とても優れた規格だとは思うんですけど、ルーティングの不自由さから導入を躊躇していた人もいると思うんですよね。接続後の融通が利かないんじゃないかとか。しかしそれも、中心にXLogic MADI-X8を置いておけばまったく問題ない。僕はこの機材が、MADIがさらに普及するきっかけになるのではないかと思っているんですよ。各社大手が皆MADI対応機器を出しているわけですからね。


中村淳中村淳
「突入せよ!あさま山荘事件」、「日本沈没」、「あしたのジョー」、「十三人の刺客」、「愛と誠」、「悪の教典」など数多くの作品で録音を手がけてきたベテランであり、映画の撮影現場にDAWを持ち込んだ最初の一人でもある日本映画界を代表する録音技師。第34回日本アカデミー賞では「十三人の刺客」で最優秀録音賞を受賞。
Movie Walker(映画作品情報):movie.walkerplus.com
Photo:栗原大輔


藁の楯藁の楯
日本映画史上かつてないスケールで描かれるアクション。刻々と迫るタイムリミットの中でのサスペンス。国中を巻き込む大騒動の中で警察組織、マスメディア、ネット社会の表と裏の顔を克明に暴いていく圧倒的なリアリティ。「もし“10億円のターゲット=人間のクズ”が目の前に現れたら、あなたはどんな行動を起こすか?」。そんな問題提起とともに冒頭数分ですべての観客を釘づけにして、そこから誰も予想できなかった驚愕のクライマックスへとすさまじいスピードで突き進んでいく、日本のエンターテイメント大作映画の歴史を変える傑作。監督は三池崇史。大沢たかお、松嶋菜々子、藤原竜也、山﨑努、岸谷五朗、伊武雅刀、永山絢斗、余貴美子ら日本映画界を代表する役者たちが熱演。
藁の楯公式サイト:wwws.warnerbros.co.jp/waranotate
(C)木内一裕/講談社 (C)2013映画「藁の楯」製作委員会


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