瀬川英史

瀬川英史

作曲家/Media Composer

中域〜低域にかけての配置の前後感が他のヘッドフォンよりもかなり詳細に聴き取れ、僕が聴き分けたいレンジを自然にありのまま表現してくれる

 

まず始めにこのHi-X65は、代理店の方からレビューをオファーされたのではなく、僕の方から是非!と催促して試聴させて頂きました。海外でHi-Xシリーズの良い評判を目にしていたので以前から気になっていたんです。僕は劇伴の作曲が主な仕事になります。ここ10年以上アメリカのメディアコンポーザー達の手法に習って、僕も生楽器で録音したオケ編成のアレンジにシンセを足すことを頻繁にしてきました。ぱっと聴いただけではサブベースが入ってるのか分からない程度なのですが、低音の安定感や量感を担保するためにサブベースを足す事がよくあります。その際そのサブベースのフィルターをどれくらい開くのか、どの程度サチュレーションして馴染ませるのか等微細な部分の確認をヘッドフォンに頼る事があるんです。それは例えば効果音とどのように共存させるのかでも違うし、楽曲のキーによってもまた異なります。ですから、全く目立たないトラックではあるのですが、正確にコントロールする必要があるんです。

それからエピック系のパーカッションも頻繁に扱いますが、映画の場合は帯域別に大体3つのステムでそれらを分けて、それぞれマルチバンドのリミッターで帯域を整えていくことになります(これはEDMの手法とほぼ同じです)。この時、帯域だけならどのモニターでも問題にならないのですが、中域〜低域にかけての配置の前後感に関してはHi-X65は他のヘッドフォンよりもかなり詳細に聴き取れるんです。Hi-X65は僕が聴き分けたいレンジを自然にありのまま表現してくれるんです。

それから、劇伴ならではなのですが、10秒以上のリバーブのテールを最後まで聴く場合もよくあります。スピーカーよりもヘッドフォンの方がそういう繊細な部分は把握しやすんですよね。Hi-X65はその点もかなり頼りがいがあります。


公式サイト
miraclebus.com/composer/eishisegawa

春のヘッドフォン祭

4/27(土)に「春のヘッドフォン祭 2024」が開催!

Austrian Audioプレミアム・ラインを体験可能

最新情報

MI7メルマガに登録

ザ・テイスティング

OC818とOC18のサウンドを体験