大森たつし

大森たつし

マリンバ・パーカッション奏者

Austrian Audioヘッドフォンは音の立ち上がりが速く、演奏者として言うと怖いくらいに正直な音

 

私はマリンバ奏者として演奏活動を行っています。演奏会だけでなく、レコーディングや映像用の収録なども多く、自分の演奏を客観的に確認する機会は少なくありません。この様な録音を振り返る時に、耳は最後のチェック・ポイントになるのです。

今回試す機会を得たのは、音の本質を聴く至高のヘッドフォンThe Composer、スタジオ級の精度とバランスで制作〜リスニングまで万能なHi-X60、日常でもワイヤレスで楽しめる高品質サウンドのHi-X25BTの3機種です。実際に自分の演奏録音などを聴きながら、その印象をまとめてみたいと思います。

Austrian Audioヘッドフォンで最初に感じたのは、音の立ち上がりの速さです。マリンバはマレットで鍵盤を叩いて音を出す楽器なので、マレットが鍵盤にタッチする瞬間の立ち上がりが非常に重要です。録音された音を確認する際も、そのアタックがどれだけ正確に再現されるかで演奏の印象が大きく変わります。Austrian Audioヘッドフォンで聴くと、マレットが鍵盤に触れた瞬間の輪郭がとてもはっきりしています。輪郭もぼやけず、粒立ちが揃って聴こえるので、速いパッセージでも音が団子にならないです。

マリンバの音の魅力は、基音と倍音の重なりです。Austrian Audioヘッドフォンは、特に中域の音の質感が素直なので、基音と倍音の重なりがクリアに聴き取れ、また鍵盤の木質感、共鳴管の響き、ホールの空気もそれぞれ明瞭に聴き取れます。また、最近の低音強調型ヘッドフォンでは、マリンバのバス音域が“ドーン”と太くなり過ぎることがありますが、Austrian Audioヘッドフォンは必要以上に膨らませないピュアな低音を感じられ、特にオープン型では減衰のカーブが自然で、スッと消えるのではなく空間に溶けていく様子まで追えます。

3機種それぞれの印象としては、The Composerは音そのものだけでなく、その場の"気配"まで聴き取ることができるように感じました。録音の完成度を確認したい時や作品全体をじっくり味わいたい時に、この表現力は大きな魅力です。Hi-X60はプロモニターとして非常に完成度が高いモデルという印象で、編集、レコーディング、ライブなど、どのシーンでも使える万能なモニターだと感じました。Hi-X25BTは、プロフェッショナルな音作りを受け継ぎながらも、より日常使いし易いモデルで、Bluetooth対応という利便性もあり、純粋に音楽を楽しむためのヘッドフォンとしても完成度が高いと感じました。

今回試したAustrian Audioヘッドフォン3機種は、演奏者として言うと、いずれもかなり正直な音です。怖いくらい。特にマリンバは倍音やアタックの質で印象が大きく変わる楽器で、その細部まで確認できる再生環境であることは、とても重要です。制作や演奏に本気で向き合う方には、Austrian Audioのヘッドフォンを一度試してみる価値があると思います。


大森たつし

洗⾜学園⾳楽⼤学卒業。
1999年Marimba & Percussion Duo「Cheer’s」でデビュー。
2001年より⽥辺製薬主催「マリンバソロリサイタル」を銀座⼗字屋にて5回にわたり開催。
2004年「⽇本領事館主催コンサート」(スイス)、2005年「英国王⽴⾳楽院主催コンサート」(イギリス)にて公演。
2003年-2009年、AmericanWind Symphony Orchestraの客員打楽器奏者として新曲初演、ソロ演奏、室内楽、CDレコーディングを⾏う。200回を超える海外公演の他、国内では「⽂化賞授賞式記念式典」「愛⼦様御⽣誕祝賀コンサート」、オーケストラとの共演など公演多数。
2012年12⽉「中村キース・ヘリング美術館」(⼭梨県)にて「⼤森たつしマリンバコンサート ―光と闇―」を開催。モダンアートとのコラボレーションを試みる。2014年より、清⾥萌⽊の村オルゴール博物館HALL of HALLS(⼭梨県)「⾳楽家と楽しむオルゴールの世界」に出演。
2024年2月、電子楽器世界大手「コルグ」、衛星放送会社「WOWOW」ら大手3社による世界的プロジェクト、世界初の立体音響(AURO-3D)配信プロジェクト「3D Recording Project」に参加し、日米において演奏が生配信される。
現在、テレビ出演、ラジオ番組のパーソナリティー、様々なCD・ CM・映画⾳楽のレコーディングに参加、THE ALFEE・SEKAI NO OWARI・槇原敬之・元ちとせ・スキマスイッチ・⼭崎まさよし・KinKi Kids等のミュージシャンのサポート等、活動範囲を広げている。⾃⾝のワーショップやマスタークラスも開催し、吹奏楽連盟主催のコンクール審査員を務めるなど、後進の育成にも携わる。
これまでに、CDアルバムを3枚、配信アルバムを2枚リリース。
Coe percussion(アメリカ)、APinstrument(イタリア)アーティスト

公式サイト
公式YouTube

 

ニューアルバム&参加作品情報

大森たつし氏の4作目のアルバム『Resonscape I — 静寂に宿る響き』、5作目のアルバム『Resonscape II — 響影』、そして参加作品『世紀を超える響演 — Hall of Halls』が同時リリース。3作品はいずれも、グラミー賞ノミネート録音エンジニア・入交英雄氏を録音監督に迎え、Dolby Atmosによる立体的な音響空間で制作されRME Premium Recordingsよりリリースされています。各配信プラット・フォームでお楽しみください。

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