MILLENNIUM PARADE Launch Party !!! at LIQUIDROOM
King Gnuを率いる常田大希氏によるNEWプロジェクト"MILLENNIUM PARADE"のローンチ・パーティが恵比寿LIQUIDROOMで開催された。マルチトラック・シーケンスに、実力派プレイヤー達によるバンドと3D映像/ライティングがシンクロ。このトラブルが許されないライブのメイン・システムに選ばれたのがPreSonus。Studio One、Quantum 、Atom、そしてFaderPortで総指揮を担う常田氏にインタビュー。
“東京のカオティックを表現”
東京のカオティックを表現したMILLENNIUM PARADE

"MILLENNIUM PARADE" Launch Party !!!のコマンド・センターとなったオールPreSonusによるシーケンス/ミックス・システムと常田大希氏
両親がジャズとクラシックのピアニストだったので音楽が溢れた環境で育ちました。自宅には、ギター、ベース、チェロなどの楽器やCDも沢山あり、音楽へ進むのは自然な流れでしたね。音楽を聴き、色々な楽器を始めて、MTRで録音して、そしてトラックを作って...今に至る感じです。マルチ・プレイヤーになったのもこれらが背景にありますね。
2015年にはバンドを立ち上げて、2017年にKing Gnuとして新しくスタートを切りました。King Gnuでは日本の音楽業界を意識して、よりポップ・フィールドへ出て行く感じで、音楽がそんなに詳しくなくても楽しめるというビジョンで制作しています。

ステージ側から3D演出をチェックする常田大希氏
MILLENNIUM PARADEの構想は結構前からあって、ジャンル間をクロスオーバーして、様々なカルチャーのサウンドが入り乱れたプロジェクトにしたい思いがあり、それが東京のカオス的なモノを表現するサウンドにつながる意識の元に立ち上げましたね。このプロジェクトは、音楽的な探究心とか、自分達の周りのカルチャーを意識しているので、King Gnuとは切り離して考えてはいます。
今回の"MILLENNIUM PARADE" Launch Party !!!の映像演出を手掛けたPERIMETRONは、元々は自分の音楽レーベル的な意識で立ち上げて、音楽を創りリリースしていました。
その後クラブ・イベントなどで知り合ったアート/フィルム・ディレクターやデザイナーが入ってきて、今では総合的なクリエイティブ・チームへと拡張しました。
“Studio Oneは本当に落ちなかった”
トラック制作にはサンプラー文化を多用する

MILLENNIUM PARADEの総指揮を担う常田大希氏
King Gnuのトラック制作では、先ずDAWでデモを組んでからメンバーへ渡して、それぞれのプレイに落とし込むスタイルです。逆に、MILLENNIUM PARADEではビートメイクに近い感じで行っちゃいますね。デカイ編成のサウンドが多いので、100トラックはマストで行きます。サンプラー文化をメチャメチャ使うというか、例えばオーケストラが50人でやったグルーヴ感をサンプラーなら1人でコントロールできるので、少数だけど大編成のグルーヴを出す手法はよく使いますね。
"MILLENNIUM PARADE" Launch Party !!!では、このグルーヴ感を表現するためにドラマーを2人体制にしました。King Gnu勢喜遊の手数を減らした踊れるビート、そしてジャズ・ドラマー石若駿の細かいグルーヴ..。このアプローチは音圧以上の効果があると思いますし、それぞれスタイルが違うから成り立つ。ビッグビートと細かいビートのバランスですね。
Studio Oneは本当に落ちなかった

FaderPortでリアルタイム・ミックスを行う常田大希氏
"MILLENNIUM PARADE" Launch Party !!!は、映像もバンドの一部なので、そこのシンクロ性能が重要でした。また、打ち込みの要素がKing Gnuより多いので、落ちない、トラブルが極力ない、その耐久力は最も重要でした。
DAWに関しては、落ちないと周りから聞いていたStudio Oneを採用しました。DAWがStudio Oneに決まったので、ハードウェアも同じPreSonusブランドの方が良いという話になり、オーディオ・インターフェースにQuantum 4848、エフェクトのリアルタイム・コントロール用にAtom、そしてリアルタイム・ミックス用にFaderPort 16のオールPreSonusで臨みました。
“オールPreSonusをセレクト”
レスポンスと耐久力でオールPreSonusをセレクト

テーブル筐体にセッテイングされたオールPreSonus(Studio One、FaderPort、Quantum、Atom)による常田大希氏のシーケンス/ミックス・システム
Studio Oneでは、マルチトラック再生とエフェクト処理やリアルタイム・ミックス、そしてバンド用クリックと映像のためにSMPTEも組み込み、俺がスタートさせれば全てが動きだす仕組みです。映像に関してもリアルタイムなシステムを用意したので、同期で映像が流れるだけでなく、ライブ感もかなり出せたと思います。
当初はリスクを抑えるために2台体制も検討しましたが、Studio Oneは本当に落ちないし、メチャクチャ軽い。だからバックアップも不要でした。今回初めて使い出したので色々トライしつつですが、面倒な設定も不要で全てが直感的。そしてトラブルもない。フェーダーひとつとっても意図した様に追ってくる。オールPreSonusの使い勝手の良さを感じましたね。
常田大希 | Daiki Tsuneta
あらゆるカルチャーを呑み込む若き日本人アーティスト "常田大希"。東京芸術大学にて西洋音楽を学んだのちに、アメリカで行われているSXSW2017、FUJI ROCK Festival、GREEN ROOM Festival、Mutekなど国内外多数のフェスに出演し頭角を現わす。2016年、DTMP名義でアルバム『 http:// 』をリリース。 2017年、King Gnu名義でアルバム『 Tokyo Rendez-Vous 』をリリース。 2019年、King Gnu名義でアルバム『 Sympa 』をリリース。その他にも映画やドラマの音楽監督や、Adidas、New Balance×Chari Co、Beams、Numéro×Emporio Armani などへのファッションフィルムの楽曲提供、アメリカ版Pokemon、血界戦線といったアニメーション作品への参加など、活動は多岐に渡る。2019年、新プロジェクト"MILLENNIUM PARADE"始動。
[MILLENNIUM PARADE公式サイト]
PERIMETRON
King Gnu等で活躍する音楽家・常田大希、プロデューサー/デザイナー・佐々木集、映像作家・OSRINを中心に2016年より本格的にクリエイティヴ・レーベルとしての活動を開始。スタイリストや3Dヴィジュアルエディターらを含む7人のクリエイター陣が集い、様々なアーティストのMVからadidas、MIHARA YASUHIRO等のブランドCMやファッションフィルムを制作。映像ディレクションの他、ジャケットアートワーク、プロダクトデザイン、スペースデザイン、雑誌でのグラフィック連載などジャンルに縛られない多方面な創作活動をおこない、現在東京で最も刺激的でカッティングエッジなクリエーションを生み出す存在として、急速に注目を集めている。
[PERIMETRON公式サイト]