Smaart Measurement Technology™
StudioLive AIシリーズおよびStudioLive RMシリーズでは、UC Surfaceリモート・コントロール/エディター/ライブラリアン・ソフトウェアに、高い評価を得ているRational AcousticsのSmaart Measurement Technology™が搭載されています。
PreSonusはRational Acousticsと提携し、PAシステムの周波数特性を簡単に確認できるよう、SmaartのパワフルなResponse™とLocator™モジュールを効率化しました。StudioLive AIミキサー・シリーズのFat Channelに搭載されたパラメトリックEQを使用したサウンド・システムの調整に必要な情報すべてを確認できます。さらに、SmaartのSpectra’s™ RTAとSpectrographは、各出力のグラフィックEQの上に表示させることができ、ミックスを分析したり、フロア・モニターの音量をすばやく上げることができます。
フル・バージョンのSmaartに比べて非常にシンプルで操作が簡単になっているとはいえ、VSL-AIに統合されているSmaartには、世界中の音響技師やライブサウンド・エンジニアが信頼を寄せるSmaartと同じテクノロジーが使用されています。
室内音響はさまざま。臨機応変な対応が必要
ライブ会場の多くは、室内環境が音響をメインに考えたデザインになっていません。もちろん、優れた音響環境のコンサート・ホールでのショーをミックスすることもあるでしょうが、それよりも、地下にあるレンガ造りで天井の低いクラブや、古い倉庫や納屋で間に合わせることの方が多いでしょう。あるいは、条件としては最悪のスポーツ・アリーナの音響に対処しなければならない場合もあります。
一般的に、サウンド・システムのパフォーマンスに大きく影響する主な要素となるのは、会場の大きさ、構造、反響です。
しかし、サウンド・システムへの部屋の影響を評価し、システムを最適化することで、その室内環境でのシステムの出力を向上させることができます。ご使用のシステムのサウンドをマディソン・スクエア・ガーデンやアムステルダムのコセルトヘボウのような秀逸の音響に変えてしまうというわけではありませんが、正しいツール、優れた耳、多少の経験を持ってすれば、サウンドを大きく向上させることができます。
システムの最適化と調整は、スピーカーのサウンド再現能力に対する部屋の影響を最低限に抑えるプロセスです。システムの調整とは、たとえその部屋が音楽を聴くのに最適な環境ではなくても、ミックスに対してできるだけ最適な環境を作成することです。これはいくつかの利点をもたらします。
Smaart Measurement TechnologyとStudioLive AIミキサー・シリーズは、こういった問題の解決に役立つ重要なツールを提供します。Smaartなら、StudioLive AIミキサー・シリーズのグラフィック/パラメトリックEQを活用し、PAサウンドを向上させることができます。
問題となるフィードバック周波数を正確に検出。スピーカーを部屋に合わせて調整。VSLのSmaartを使用すれば、音響学の知識がなくても簡単にこれらを調整できます。VSL-AIに統合されたSmaartは、直感的でアクセスも容易です。経験の浅いユーザーでも基本的なシステム調整を行うことができ、また熟練のユーザーもシステムをすばやく正確に調整することができます。
ミックスのスペクトル成分をリアルタイムに表示。分かりやすい操作を実現
Universal Control-AIのグラフィック・イコライザー・タブをクリックすると、Smaart SpectraのSpectrographとリアルタイム・アナライザー・アルゴリズムが起動し、ルーティングされているスペクトル成分が特定のグラフィックEQに表示されます。
Smaart SpectraのSpectrographには、レベル、周波数、時間が対となって表示されます。周波数と時間を軸で、レベルを色で表示し、スペクトル測定結果を連続グラフ表示します。このディスプレイには5秒間にわたるスペクトル情報が表示され、Auxミックス内のフィードバックなど、ミックス内の傾向を確認することができます。
Spectra RTA(リアルタイム・アナライザー)を有効にすると、今聞いている内容が表示されます。ミックスのローエンドが強すぎるのか、ルームがブーミーなのか判断しにくい場合は、RTAを使用してミックスの問題箇所を表示させ、クリーンにすることができます。
便利なウィザード
StudioLive AIミキサー・シリーズでは、3種類のSmaart System Check Wizardsと、VSL-AI内蔵のピンクノイズ・ジェネレーターを使用して、会場の周波数特性をグラフィックにより簡単にチェックし、ディレイシステムのタイミングを計算・設定し、出力接続を確認できます。(アーキテクチャが異なるため、これらのウィザードはStudioLive 16.0.2ではご利用いただけませんのでご注意ください)。
StudioLive AIソフトウェア・ライブラリ・ユーザー・マニュアルでは、3種類のウィザードを使用して最適な結果を得るための詳しい手順とヒントが提供されています。
これらのツールを使用するには、StudioLiveミキサーのトークバック入力に測定マイクを接続する必要があります。
Smaart Room Analysis Wizard
Smaart Room Analysis(SRA)Wizardは、周波数特性記録を取得し、StudioLive AIミキサー・シリーズのFat ChannelパラメトリックEQのVSL-AIディスプレイに結果をオーバーレイ表示する自動プロセスです。このパラメトリックEQを調整し、室内空間における不要な特異性を取り除くことができます。
Smaart Output Check Wizard
Smaart Output Check(SOC)Wizardは、StudioLive AIシリーズ・ミキサーのシステム出力が正しくルーティングされており、信号を通過させているかどうかを確認します。他のウィザードに比べるとシンプルなツールですが、たくさんの頭痛の種を解消してくれる優れものです。
Smaart System Delay Wizard
Smaart System Delay(SSD)Wizardは、2つのフルレンジ・スピーカー・システム間の遅延時間を計測し、StudioLive AIミキサー・シリーズのサブグループ出力ディレイを使用して正しいアマウントを設定します。これにより、FOHのPAシステムで、セカンダリ(一般的にはサイドとリア)のスピーカー・システムの出力とメインのフロント・スピーカーの出力と同期させることができます。