Amp Roomは生きたプラットフォームでありエコシステムです。Amp Roomには互換性のある拡張機能やプラグインをいつでも追加できます。同時にリリースしたMarshall Cabinet CollectionはAmp Room専用にデザインされたアドオンで、今後も続々追加される予定です
Softubeのアンプ・プラグインMarshall Plexi Super LeadやEden WT800などはAmp Roomにロードでき、アンプ・ヘッドとキャビネットは別々のモジュールとして使用可能です。また、Trident A-Range EQ、Tape、Tube-Tech CL 1BなどのSoftubeミキシング・プラグインも順次対応して行くためAmp Roomの用途は益々広がりパワーも最大化します。
DAWからAmp Roomを起動すると対応のモジュールおよびSoftubeプラグインが一覧表示されます。「Gate」は余分なノイズの制御に役立ちます。静けさが必要なときにうっとうしいノイズや唸りが聞こえる場合はこれを試してみてください。一部のペダル、エフェクト、アンプはサウンドの全体的なダイナミクスとトランジェントに影響します。オリジナルのダイナミクスに戻したい場合には、「DTC™(Dynamic Transient Control)」を使うと、嘘のようにトランジェントが元に戻ってハーシュネスが除去され、タイトさと鮮明さが回復します。「Headphones Mode」では、ヘッドフォンを使う場合に、ステレオのルーム・アンビエンスがわずかに加わります。Amp Roomでステレオの使用中に「Left」または「Right」を選択すると、モノ・ソースからステレオ・エフェクトを作成できます。信号チェーン内に複数のパスを作成する場合には「Split panel」を使います。これによって1つの楽器の2つの周波数帯が別々に処理されます。一方、「Mix panel」を使うと2つの信号パスが1つのステレオ出力にまとめられます。「Zoom control」でズーム率を自由に調整できます。
ギター・アンプの1つにMarshall JCM800があります。1981年に誕生したこのアンプはMarshallのサウンドの本質を体現する銘品です。ほかには、ブリティッシュ・インヴェイジョンを象徴するトーンに適した1964年のモデル、ややダーティなブルースのリフのために作られたクラシックなアメリカン・コンボ・アンプの1966年バージョン、メタル向けのドイツのハイゲイン・アンプ、クラシック・ロックに最適な70年代後期のベース・アンプがあります。また、カスタムなDI(直接入力)もあるので、ダイレクト・インジェクション機能を追加してベース・アンプと未処理のベース・トラックをブレンドできます。
キャビネットにはロックやメタルのギターとベース用に作成された1960年のMarshallのモデルが複数あります。明るく芯があって重みとパンチがあるトーンにしたい、ヴィンテージの情緒をたっぷり盛り込みたい、タイトで中域はパーカッシブなパンチを効かせたい、できる限り低域を強調しつつも中高域の鮮明さと輪郭は残しておきたい。どのようなトーンをお望みでも、Amp Roomは幅広いオプションで優れたサウンドをすばやく実現します。
ペダルについては、特定のペダル、または最適なペダルの組み合わせのエミュレーションとしてSoftubeが入念に設計しました。ロックとブルース・ギター向けのオーバードライブ・ペダル、ほぼ無限に続く壮大な揺らぎを生み出すリバーブ・ペダル、サウンドに少しだけきらめきを与えるイコライザー、よりファンキーなサウンドにしてくれるコンプレッサー、80年代の雰囲気をかもし出すコーラス・ペダル、ヘヴィで歪んだトーンを作るMarshallのGuv’norペダル、アレンジにリズミカルな効果を加えるディレイ・ペダルなどがあります。
実機ではPRE-AMPのつまみを右へ回すとジャリっとした耳に付くひずみが加わっていき、MASTER VOLUMEを上げていくと真空管ならではのマイルドさが加わりサウンドも太くなっていきます。実際にギターを弾いて試してみると、Amp Roomのモデリングはそのニュアンスと質感をかなり忠実に再現している
阿瀬さとし
Cojok/Smash Room[レビュー記事を全文読む]
すべてのキャビネットには1つ以上のマイクが置かれていて、曲作りのどの段階でもマイクを移し替えることができます。マイクをどこにでも移動できるキャビネット・モジュールもあれば、マイクの位置は固定されているが組み合わせを変えることのできるキャビネット・モジュールもあります。2つのマイクが置かれたキャビネットでは、ミックス・スライダーでマイクどうしのバランスを設定できます。
連続式の幅フェーダーでは全体的なステレオ・イメージを設定できます。名前に「Revisited」と記されたキャビネットは複数のマイクで録音されています。こうしたキャビネットでは、求めるサウンドに応じて1つのマイクまたは複数の組み合わせのいずれかを選ぶことができます。
Amp Roomは、モジュールとしてロードできる各種のAmp Room対応プラグインとも互換性があります。強力なAmerican Class Aチャンネル・ストリップもAmp Room対応プラグインの1つです。これはコンプレッサーとイコライザーの2つのモジュールで構成されています。なお、Tape、Tube-Tech CL 1Bなど、選択肢はほかにも数多くあります。
Amp Roomに収録されているユーティリティ・モジュールを使うと、フィルタリング、ゲインの調整、ミュート、ボリュームやパンの調整、並列信号経路の位相の整列、経路内での信号の周波数分割ができます。
MUSIC EcoSystemsが今話題のクリエーター達に楽曲制作手法やレコメンド機材を訊くCreator's Talk vol.01は、VOCALOID楽曲「ぼくらのレットイットビー」を手掛け下北沢にスタジオを構えるEvergreen Leland Studioの針原翼。ファーストテイクの重要性やMarshall 1959への想い、そしてSoftubeマーシャル・プラグインの魅力を語ります。
- ギター&ベースの新しいプラットフォーム
- コンポーネント単位でのモデリングと優れたトーン
- Marshall社公認のアンプ&キャビネット・エミュレーション
- 様々なSoftubeプラグインに対応
- 信号経路のどこにでも、あらゆる種類のスタジオ・ツールをパッチング可能
- ハードウェアでは困難あるいは不可能なセットアップを構築可能
- アンプ6機種
- 複数のマイキング・オプションに対応するキャビネット16機種
- ディストーションから空間系までを網羅したエフェクト・ペダル10機種
- American Class Aを始めとするスタジオ・クオリティのエフェクト3機種
- ユーティリティ・モジュール8機種
- 様々なスタイルに対応した260以上のプリセットを収録