Softube x Trident Audio Developments

Trident Audio Developmentsは、Trident Recording Studiosから派生したアウトボード・メーカーです。このスタジオでは、Trident独自設計のA-Rangeコンソールを使用して、デヴィッド・ボウイ、クイーン、ビートルズなど有名アーティストのレコーディングが数多く行われています。1970年代以降、伝説のA-Rangeや80Bシリーズ・コンソールなど1990年に業務を停止するまで数々のコンソールを製作していました。そのTrident Audioが当時のデザイナーであるマルコム・トフト氏とともに復活を果たしアウトボードやコンソールを製造しています。

SoftubeはTrident Audio DevelopmentsとのコラボレーションによりTrident A-Rangeをプラグイン・バージョンとしてリリースしています。Trident A-Rangeは伝説の名機であり、世界中のサウンド・エンジニアとプロデューサーにとっての憧れの的であり続けています。プラグイン・バージョンのA-Rangeは、世界で13台現存するTrident A-Rangeコンソールの中から、デンマークのSweet Silence StudioのStudio Bにあるチャンネル15をモデリングしています。このチャンネルは、デンマークのプロデューサーであるフレミング・ラスムッセン氏が管理するもので、メタリカの『ライド・ザ・ライトニング』、『メタル・マスター』、『メタル・ジャスティス』などのレコーディングに実際使用されたものです。

 

〜 マルコム・トフトによる序文 〜

自分のスタジオで、ベテランのレコーディング・エンジニア達とともにSoftubeが再現したTrident A-Rangeイコライザー・プラグインを評価しました。多種多様な楽器とボーカルを使った徹底的なリスニング・テストの後、嬉しいことに、これは1971年に私が設計したオリジナルのA-Rangeをとてつもなく忠実に再現したソフトウェアであるということに全員の意見が一致しました。オリジナルのトーンのニュアンスがすべて現れているばかりか、「サチュレーション」コントロールまで再現されています。これは、大幅なイコライゼーションを適用したり、入力信号を激しくドライブさせたりした時の、オリジナルのオーバードライブによるアーチファクトをエミュレートしたものですね。私がデザインしたオリジナルのA-Rangeが、このソフトウェアで驚くほど正確に再現されていることに喜びを感じています。

マルコム・トフト教授
Trident A-Rangeコンソールの初代設計者

 

〜僕はもちろん、ほとんどの人がTRIDENT A-Rangeを触ったことがないと思います。しかしクイーンやデヴィッド・ボウイなどのレコーディングで使われてきた伝説的なコンソールの音は、多くの人が聴いてきたでしょう。そしてプラグインとして発表後、伝説になる理由を感じられるかなと試してみたら、想像以上に使いやすく好みの音が出せたんです。A-Rangeについて調べてみるとインダクターを使ったEQだったので、僕の好きなPULTECやECKMILLERなどと同じ感触があったんだと分かりました。 [レビュー記事の続きを読む]

杉山勇司(レコーディング・エンジニア)

 

Trident Audio Developmentsについて詳しくは、www.trident-audio.comをご覧ください。

  • <Trident A-Range>
    オリジナルの設計者であるマルコム・トフト教授との共同制作し、個々のコンポーネントを忠実にモデリングした自分の意志を持ったEQです。

    25,270円