Mutable Instruments Clouds

サウンドの雨を降らせる

モジュラー・シンセサイザーの世界には、モーグ、ブックラ、ドイプファー、サージといった、畏敬の念を抱かせるブランドがいくつかあります。その一方で、はじけるような喜びと興奮を呼び起こすブランドも存在しています。その感情はとても自分の部屋には収まりきらず、廊下まで溢れ出るぐらいです。

Mutable Instrumentsは10年近くに渡り、この後者のカテゴリーに属するEurorackモジュールを制作してきました。音のテクスチャをクリエイトするモジュールCloudsのハードウェアは、世界中の愛好家から今でも根強い人気を誇ります。遂に、そのCloudsがModularで使用できる様になったのです。

Cloudsでは、蛇口を使って音の流れから滴りを取り出すように、入力信号を長さ16ミリ秒から1秒の音のしずくに分割。そして、実に多様な方法で音のしずくを制御できます。このモジュールの可能性を試すだけで、雨の週末があっという間に過ぎ去ってしまうことでしょう。さらには次の週末にもおよぶかもしれません。

Clouds Eurorackモジュールの実機が生産完了した今、このソフトウェア・バージョンがあれば、誰でもサウンドを濃密なテクスチャのサウンドスケープに変え、想像できないほどタイムを延ばすことができる。モジュレーションを加えれば、たちまち新星の誕生。それは、唯々美しい。

ロビン・ランボー(「スキャナー」の名で活動。プロデューサー、DJ、リミキサー、アーティスト)

オーディオ・バッファーをスクラブし、サンプルのサイズとテクスチャを変えてみましょう。この上なく滑らかな入力信号から、途切れがちでリズミックな荒々しいサウンドが生み出されます。あるいは、音のしずくを次々と積み重ねてリバーブのような荒れ狂うシステムを作れば、スネア・ドラムがアンビエント・ドローンやサウンドスケープに突然変異。ピッチ・シフト、タイム・ストレッチ、フィードバックを駆使して、望みどおりのトーンに輝かせてください。

本当に楽しいモジュール。今、デジタルの世界にこれを採り入れることは非常に理にかなっていると思う。どんな場合でも、複数あればより楽しめる。一風変わったリバーブやディレイとして使うだけでなく、細かいグレインを金属的な破壊音として使ったりもできる。

ジョン・テハダ(電子音楽アーティスト、音楽プロデューサー、DJ、レコード・レーベル・オーナー)

デジタル・モジュールであるCloudsでは、その各コントロールに奥深さが隠されており、それぞれの限界と可能性を探ること自体が冒険なのです。Cloudsを使用すれば、入力したドラム・ループをトリップ感のある唐突なブレイクに変えることができ、バッファーをフリーズさせてワンショット・サンプラーのように使えば、同じ音の塊をいつまでも操作することも可能。外部のオシレーターを使ってオーディオ・ストリームのフリーズとフリーズ解除を素早く切り替えれば、入力信号からロボットのようなサウンドをクリエイトでき、バッファーに異なる複数のトーンを送り込めば波形テーブルのように使うこともできます。また、きめ細かく不規則なディレイ・テイルを生成し、通過するオーディオ・ストリームと同時にブレンドすれば、信号に粗さとテクスチャが加わります。これは有機的な音の干渉のようなものです。

Modularでの音作りの要が、サウンド設計のための、可能な限り広く、深く、濃く、多様なパレットを作り出すことであるならば、Clouds抜きにはシステムは完成しません。Cloudsを皆さんのセットアップに加えて、サウンドの雨を降らせてください。

主な特徴

  • グラニュラー・テクスチャライザー。オーディオ・ストリームを操作可能な音のしずくに分割。音のしずくの速度、サイズ、テクスチャなどを制御
  • リバーブやディレイとしても使用可能
  • フリーズ機能によって、シンプルなワンショット・サンプラーとしても使用可能
  • 4つの音質モード。ローファイな8ビットも魅力的。ステレオ・スプレッドで音のしずくの開始位置の左右を調整
  • 実験のしがいのあるモジュール。誰も考えつかなかった使い方を発見してください。本製品を使用するにはModularが必要です。
Mutable Instruments Cloudsデモンストレーション・ビデオ
Mutable Instruments Clouds製品紹介ビデオ