デジタル・ミキシングおよびレコーディングのデメリットの1つとして、アナログ機器なら起こり得る嬉しい偶然が、DAWでは起こらないということが言われていますが、SoftubeのTrident A-Rangeイコライザーをお試しください。
なぜなら、Trident A-Rangeは、極めて音が良く、際立った特徴のあるイコライザーというだけではないからです。4つの周波数帯は、時に予測不可能な方法で融合することもあるのです。多くの場合、イコライザーを設定した時点での予想をはるかに上回る結果が得られることでしょう。このような意味で、Trident A-Rangeは厳密な科学機器というよりも楽器に近いと言えます。このことは、Trident A-Rangeが偉大なクラシック・ロックのアルバムに用いられてきた大きな理由の1つであり、誰もが欲しがるイコライザーであり続ける理由と思われます。
A-Rangeのコンソールはたったの13台しか製造されませんでした。Softubeのプラグイン版はデンマークのSweet Silence StudioのStudio BにあるTrident A-Rangeのチャンネル15を忠実に再現しています。これはプロデューサーのフレミング・ラスムッセン氏がリード・ボーカルのレコーディングに愛用しているチャンネルです。また、フレミングはメタリカの『ライド・ザ・ライトニング』と『メタル・マスター』のソロ・ギターとリズム・ギター、そしてレインボーのアルバム『アイ・サレンダー』と『ストリート・オブ・ドリームス』でのリッチー・ブラックモアのギターにもこのチャンネルを使用しています。
A-Rangeチャンネルには、4つの帯域のイコライゼーションとハイ・パスおよびロー・パス・フィルターが備わっています。コンソールへの入力レベルを上げていけば、効果的な激しいサチュレーションを伴うディストーションを発生させることができます。ただし、場違いになる危険性もあるので注意が必要です。簡単にサチュレーションを選択できるよう、個別のサチュレーション・コントロールが追加されています。このコントロールを弱めるとクリーンになり(描画処理によるCPUへの負担も減ります)、強めるとTrident A-Rangeのサウンドが前面に出ます。
伝説的な機材であるTRIDENT A-Rangeのニュアンスを得られるEQ
レコーディング・エンジニア|杉山勇司
「僕はもちろん、ほとんどの人がTRIDENT A-Rangeを触ったことがないと思います。しかしクイーンやデヴィッド・ボウイなどのレコーディングで使われてきた伝説的なコンソールの音は、多くの人が聴いてきたでしょう。そしてプラグインとして発表後、伝説になる理由を感じられるかなと試してみたら、想像以上に使いやすく好みの音が出せたんです。A-Rangeについて調べてみるとインダクターを使ったEQだったので、僕の好きなPULTECやECKMILLERなどと同じ感触があったんだと分かりました... [私が使うSOFTUBEプラグイン記事の続きを読む]
- 自分の意志を持ったEQ
- オリジナルの設計者であるマルコム・トフト教授との共同制作
- 個々のコンポーネントを忠実にモデリング
- サチュレーション・コントロール
- CPU負荷が非常に低い
Tridentコンソール、とりわけA-Rangeのサウンドの特性を愛してやみません。これをVenueで使えるようになったなんて、まさに夢のようです。
ロバート・スコーヴィル(ライブ・サウンド・エンジニア。 キャリアは30年を超え、プリンス、ラッシュ、デフ・レパード、アリス・クーパーなどのライブを手がけている)
オリジナルのアナログのTrident A-Rangeチャンネル・ストリップを使ったことがあります。なのでハードウェアとプラグインとを比較できるわけですが、これらの違いはまったくありません。
マイケル・ワグナー(オジー・オズボーン、メタリカ、ドッケン、アリス・クーパーなどを手がける)
仲間を呼んでTridentを引っ張り出してきたところ、自分も相手も「この音はすごい」と驚きました。ただただ素晴らしいプラグインです。
ダグ・アルドリッチ(ホワイトスネイクのプロデューサー/名ギタリスト)
Trident A-RangeとFET Compressorは、本当にアナログの音に聴こえます。
グレッグ・ウェルズ(プロデューサーおよびソングライター。ケイティ・ペリー、ウィーザー、アデル、ティンバランド、ミーカ、ワンリパブリック、ピンク、デフトーンズ、ルーファス・ウェインライトなどを手がける)
すべてのギター・チャンネルにA-Rangeを使っています。サウンドが素晴らしい。そして、もう少しドライブさせたいときにはサチュレーション・ノブがお約束です。
ジョン・カーン(FOHエンジニア。SUM 41、ノー・ダウトなどを手がける)
A-Rangeが3kとは、ロック・ギターにとっての天の恵みです!!
ボブ・キューリック、ブレット・チャッセン(ロサンゼルスにあるOffice Studiosのオーナー。 ここでは、デイヴ・グロール、レミー・キルミスター、ビリー・ギボンズ、ロニー・ジェイムス・ディオ、トニー・アイオミ、カルロス・カヴァーゾ、ダグ・ピニック、アリス・クーパー、ジャック・ブレーズ、ビリー・アイドル、スティーヴ・ヴァイ、リンチ・モブなどのレコーディングが行われている)
SoftubeのTrident A-Rangeディスクリート・イコライザーは、温かみが素晴らしいEQです。ミックスに多くのものを付け加えてくれます。とは言え、このEQの魔法はサチュレーション・ノブにあります。このノブは、わずかに回せばサウンドに少し特徴を加えることができます。大きく回せばクールなオーバーサチュレーションになり、これも大変気持ちがいいものです。
トニー・マセーラッティ(伝説的なミキサー。ジェイ・Z、ビヨンセ、ジェームズ・ブラウン、ジェニファー・ロペスなどを手がける)
嬉しいことに、これは私が設計したオリジナルのA-Rangeをとてつもなく忠実に再現したソフトウェアです。
マルコム・トフト教授(Trident Audio DevelopmentsでオリジナルのA-Rangeコンソールを設計)
A-Rangeプラグインにはオリジナル・モジュールのトーンとエネルギーが余すところなく盛り込まれています。オリジナルは見つけるのもメンテナンスも困難ですが、プラグインなら簡単に使えます。'70年代クラシック・ロックのギターのトーンを即座に再現できる、頼りになる完璧なエフェクトです。当時の機器の不安定さが理想的な形で解決されています。使いやすく、セッション中にクラックル・ノイズが発生したりしません。プラグイン化にあたって、ノイズとアーチファクトだけは外されたようですね。そしてこのプラグインはスネア・ドラムやタムに効果的です。サチュレーション・コントロールによって、より多彩なトーンと、回路を圧縮した感じがドラムに加わります。フィルターはEQとともにサウンドをアグレッシブにしてから、スペクトラムの末尾をきれいに消去するのに最適です。これはハードウェアではありませんが、オリジナルのモジュールを思い出す手段であることに間違いありません。
ジョー・チッカレリ(ミキサー/エンジニア/プロデューサー。ベック、U2、ザ・ストロークス、エルトン・ジョンなどを手がける)
自分のスタジオで、ベテランのレコーディング・エンジニア数名とともにSoftube Trident A-Rangeイコライザー・プラグインを評価しました。多種多様な楽器とボーカルを使った徹底的なリスニング・テストの後、嬉しいことに、これは1971年に私が設計したオリジナルのA-Rangeをとてつもなく忠実に再現したソフトウェアであるということに全員の意見が一致しました。
オリジナルのトーンのニュアンスがすべて現れているばかりか、「サチュレーション」コントロールまで再現されています。これは、大幅なイコライゼーションを適用したり、入力信号を激しくドライブさせたりしたときの、オリジナルのオーバードライブによるアーチファクトをエミュレートしたものですね。
Softubeの皆さん、お見事です。
マルコム・トフト教授(Trident Audio DevelopmentsでオリジナルのA-Rangeコンソールを設計)
Trident A Rangeには本当に驚きました!ギターにとってのベストなEQであることに間違いありません!あまり耳障りにならないようにギターにディストーションをかけるのはとても難しいのですが、Tridentを使えば滑らかさと温かみを保ちながらも切り裂くような音を適切に作ることができます。圧倒されました。
ジェフ・ピルソン(ドッケン、フォリナーに参加)
TridentのEQは実に音楽的で使いやすいです。この夏に再びハードウェアの方を使ったのですが、今なおこれは驚くべき代物です。大胆なサウンド作りに本当に適しており、ハイ・エンドがとても心地いいです。そしてサチュレーション機能が実に優れています。キック・ドラムに最適ですよ。ぜひ808に試してみてください。
スチュアート・リチャードソン(ベース・プレイヤー/プロデューサー/ミキサー。ロストプロフェッツを手がける)
初めてSoftubeのTrident A-Rangeイコライザー・プラグインを使ったときは、満面の笑みが浮かびましたね。まるでコンソールを取り戻したような気がしました。かつて聴いていたとおりのサウンドです。
フレミング・ラスムッセン(プロデューサー/ミキサー/エンジニア。メタリカ、リッチー・ブラックモア、モービッド・エンジェル、ブラインド・ガーディアンなどを手がける)
...動作もサウンドもまるで実物のA RangeコンソールのEQです!
ビル・シュネー(グラミー賞に複数回ノミネートされたプロデューサー/エンジニア。 ロッド・スチュワート、マーク・ノップラー、ニール・ダイアモンド、カーリー・サイモン、ホイットニー・ヒューストンなどを手がける。ホイットニー・ヒューストンについては、ビッグ・ヒットシングルとなった『オールウェイズ・ラヴ・ユー』)
実際には5〜6 kHzの周波数帯(ハーシュネスを伴う)をブーストしているにもかかわらず、ボーカルの邪魔になるハーシュネスや変な濁りは発生しませんでした。なぜでしょうか。このEQがまさに音楽的であり、素晴らしいからです。その後、個々の楽器にもこのEQを使うようにしたところ、すべてに対しておまじないのように効きました。これを使えばEQ処理が簡単になります![...]必須アイテムです!
ミカエル・ヴェッキオ(『Delicious Audio』誌)
この巧みに設計されたミニマム・フェーズEQを様々な素材にテストしながら体験したのは、まさに「EQポルノ」でした。[...]私が行った厳密なテストでは、臨床サンプルとして、魂が抜けたようなRhodesのサウンドをこのEQに送りました。すると、サウンドがきらめきだし、響きが豊かになったのです。それも「周波数を塗りつけた」ような感じではなく、「調和的に構造化された」といった感じで。[...]無視するなら危険を覚悟で!
エディ・バジル(Samplecraze)
SoftubeのTrident A-Rangeは、その優れた多用途性とロックなサウンドと雰囲気によって、自分には大当たりでした。
バリー・ルドルフ(『MIX Magazine』誌の寄稿編集者、ロサンゼルス『Music Connection Magazine』誌の「New Toys」欄のコラムニスト)
...このプラグインを使うという体験は、波形とともにベッドに入り、波形をマッサージして形にしていくようなものです。
『Resident Advisor』誌
初めてSoftubeのTrident A-Rangeイコライザー・プラグインを使ったときは、満面の笑みが浮かびましたね。まるでコンソールを取り戻したような気がしました。かつて聴いていたとおりのサウンドです。
これでコンソールを持っていた頃と同じようにセッションをセットアップできます。正しく使いさえすれば、サチュレーションは優れたツールとなって素晴らしい結果を生み出すでしょう。とても満足しています。Softubeさん、よくぞやってくれました。
フレミング・ラスムッセン(プロデューサー/ミキサー/エンジニア。メタリカ、リッチー・ブラックモア、モービッド・エンジェル、ブラインド・ガーディアンなどを手がける)
これまでどおり、Softubeのエンジニア達は細部まで行き届いたいつものアプローチをとってくれました。オリジナルのTrident EQのファンならば、きっと彼らの仕事を気に入るはずです。
ポール・ホワイト(『Sound on Sound』誌編集長)
Softubeはここで見事な仕事をやってくれました。エミュレーションが重要な役割を果たしながらも、CPUの負荷は抑えられています。EQ自体も素晴らしいうえに、付属のサチュレーション・コントロールによって魅力的な特徴が加えられています。
『Computer Music』誌