Tonelux Tilt & Tilt Live

Tonelux Tilt & Tilt Liveは、Toneluxの設計者であるポール・ウルフ氏とSoftubeが共同で開発したプラグイン。ノブを回すだけで、きらめくような明るさから、温かみのある広がりまでサウンドが変化します。Tonelux Tiltプラグインは、素早く簡単な方法でミックス内のトラックを安定させ、サウンドに温かさや冷たさを加えたりすることができます。また、耳の疲労を防ぐためにミックス全体を調整しなければならないライブにも最適です。

全てのチャンネルに真っ先にTonelux Tiltを置くべきかもしれません。Tiltには詳細に踏み込む前の、さしあたっての大まかな設定に必要なすべてのコントロールが含まれています。そして、ミックス内での位置を定めるためにすべてのトラックに必要なものはTiltであったということに、かなり高い確率で気付くでしょう。

Tiltのフィルターは「傾き」という名前どおりのことを行います。フィルターをアクティブにしてコントロール・ノブを時計回りに回すと、低域が減衰し、高域がブーストされます。反時計回りに回せば逆のことが起こり、サウンドは太く暗くなっていきます。ラウド・スイッチのオンとオフを切り替えることで、この効果が強くなったり控え目になったりします。つまり、ひとつのノブを回すだけで、標準的で優れたサウンドの周波数トリミングができるのです。

次に、穏やかで自然なサウンドのハイおよびロー・パス・フィルターを見ていきましょう。これらはスウィープが可能であり、1オクターブあたり6dBと12dBのどちらかに切り替えることができます。そして最後に、極性反転スイッチとゲイン・ノブがあります。もうお分かりでしょうか。ありとあらゆるチャンネルの、基本的で大まかな設定に必要なすべてが揃っています。SoftubeのモデリングによるTonelux Tiltには、Tonelux MP1aマイク・プリアンプにあるトランスフォーマーが含まれています。このトランスフォーマーは低周波にかすかな歪みを加え、トラックのロー・エンドを太くします。

TiltプラグインはToneluxの設計者であるポール・ウルフ氏とSoftubeが共同で開発し、Toneluxのサウンドがデジタルの世界に移されています。Tiltの革新的な設計が初めて採用されたのは、Tonelux MP1aディスクリート・マイク・プリアンプ・モジュールでした。迅速かつ効果的な方法でサウンドを制御する必要のあるエンジニアとプロデューサーにとって、これは天の恵みでした。

Tiltプラグインの特別な「ライブ」バージョンが含まれています。これはAvid VENUEなどのライブ・システム用に最適化されており、ライブ・サウンド・エンジニアが求める機能を備えています。

TONELUX MP1A/5AのEQを忠実にモデリングし機能追加したプラグイン

森元浩二. レコーディング・エンジニア|森元浩二.
「TONELUXは、残念ながら現在日本に代理店が無いためあまり認知されていませんが、API 500シリーズから中型のコンソールまで数多くのハードウェアを出しています。本製品はTONELUXのマイク・プリアンプ、MP1A、5AのEQ部分であるTiltをモデリングしたプラグイン。ハードウェアのTiltは、650Hzを中心に高域と低域をシーソーのように±6dBブースト/カットするEQです。その機能に、低域と高域を同時にブースト/カットするラウドネス効果を得られるLoudモードの...  
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概要

  • ひとつのノブで基本的なサウンドを設定
  • 12 dB/octのオプションが付いた、ハイおよびロー・パス・フィルター
  • トランスフォーマーのディストーションをモデリング
  • オリジナルのToneluxの設計者であるポール・ウルフ氏との共同制作
  • ライブ・サウンド・エンジニア向けに最適化されたTilt Liveプラグインが付属
  • CPU負荷が非常に低い
特徴とチュートリアル
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新たなマイ・ブームはTonelux Tiltです。ポール・ウルフさんはなんて有能なのでしょうか。

ジョー・チッカレリ(ミキサー/エンジニア/プロデューサー。ベック、U2、ザ・ストロークス、エルトン・ジョンなどを手がける

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Tonelux Tiltはとてもスムーズで、イコライザーの発想として非常に優れています。

マイケル・ワグナー(オジー・オズボーン、メタリカ、ドッケン、アリス・クーパーなどを手がける

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Tonelux Tiltはミックスを始めるために必要なすべてです。サウンドがぼやけていたり明るすぎたりしても、数分どころか数秒のうちに修正できます。TiltはあらゆるDAWに必須のツールです!

コーエン・ヘルデンス(ロサンゼルスを拠点に活動する、国際的なミキシング・エンジニア。複数のプラチナ・ディスクを獲得。ビヨンセ、リル・ウェイン、ミッシー・エリオット、ティンバランドなどのアーティストを手がける)

このTilt EQは本当にすばやくて、ワン・ノブの修理工といったところです。素晴らしいサウンドをとても簡単にすばやく得ることができます。スピードが命であるフェスティバルなどで何度も使っています。そのうえ、ラウドネス・カーブは、すべきことを着実にしてくれます。クールな逸品です!

ジョン・カーン(FOHエンジニア。SUM 41、ノー・ダウトなどを手がける

オーバー・ヘッドに最適です。光沢がちょうどいいのです。

テッド・ホワイト(プロデューサー/エンジニア。グレン・ヒューズ、ヒラリー・ダフを手がける)

フィルター、位相反転、ゲイン。これらは私がすべてのミックスに使う基本の機能です。これらに傾斜というオプションが加われば、このプラグインはあらゆるチャンネルに不可欠なものになります!

ブラッド・ウッド(プロデューサー/エンジニア。スマッシング・パンプキンズ、リズ・フェア、ピート・ヨーンを手がける)

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毎日のミキシング作業で、Tilt EQは曲に使われているインストゥルメント・トラックの大半に申し分なく使えます。送られて来るサウンドを成形するために迷いなく使える音楽的なツールです。

バリー・ルドルフ(『MIX Magazine』誌の寄稿編集者、ロサンゼルス『Music Connection Magazine』誌の「New Toys」欄のコラムニスト